「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

 原作漫画もテレビドラマも内容は殆ど知らず、予備知識と言えば「戸田恵梨香がバカすぎてイライラするドラマ」ぐらい。そんなわけで途中で思わせぶりに登場する人とか、何の目的で松田翔太がこのゲームに参加してるのかが解ってないのですが、ゲーム自体は一見さんでも問題無しでしたし、ゲームの内容もよく考えられていて面白かったです。しかし、TV版は凄く中途半端な所で終わってる筈ですよね、これ。予算も付いてないみたいだし、なんでTVスペシャルじゃなく映画にしたんでしょ?

 脚本の出来が良いだけに演出やキャスティングなど細部の粗が勿体ない作品でしたね。役者の知名度にかなりバラツキがあるので刺客のプレイヤーXを絞り込むのがかなり容易だったり、ファイナルまで残ったほどのメンバーの大半が殆ど稼いでなかったり、金に執着してる風でもなかったり、容易に張れる伏線を何故かさぼってたり。勝ち負けは億単位の金なんだからもっと必死で駆け引きすると思うのですが、瑛太の弟とか他人の言いなりになってるだけの奴がゴロゴロ混ざってるのも無駄です。参加者を絞って豪華乃至は無名キャストに統一すればもっとよくなったのに。

 投票ルーム入室が早いほどイニシアチブを握れるのは直ぐに判るのに順番で揉めないのは不自然だし、焼印が凄く重要なことはちょっと考えればわかるのに無防備過ぎるとも思うのですが、心理戦からトリック合戦に移行して論理的に罠に嵌めていく流れはテンポよく、どんでん返しが連発するのも小気味よかったです。
 オーバーリアクションの大根芝居は鼻につくけど意識的な演出だろうし荒唐無稽な世界観には合ってたと思います。ハイテンションな変キャラを揃えた事で普通の演技ができない松田翔太も浮かずに済みますし。

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ スタンダード・エディション [DVD]ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ スタンダード・エディション [DVD]
(2010/09/15)
戸田恵梨香、松田翔太 他

商品詳細を見る
スポンサーサイト

レスラー

 80年代に大活躍するも現在はバイトで食い繋ぎながらインディー団体のマットに上がる全身ボロボロ中年プロレスラーのどん詰まり人生と、長らく日本では表向き真剣勝負とされてきた業界の裏側を容赦なく見せつけるヴェネチア映画祭金獅子賞受賞作。すっかり風貌が変わり低迷を続けていた猫パンチの御仁も息を吹き返しゴールデングローブ賞をゲットしております。
 物語自体は非常にオーソドックスな落ちこぼれの悲哀物ですが、そういう風にしか生きられない愛おしい愚か者に否応なくグッと来てしまう中年男キラーな傑作です。パワーファイトとLAメタルの80年代が最高で、ハイスピード・バトル&総合格闘技とオルタナティヴ・ロックの90年代が最悪という、プロレス観・音楽観なら更に楽しめること請け合い。

 とかく転落人生を地でいくミッキー・ロークと重ね合わせて語られる本作ですが、私的にはそういう気分には一切ならず。無茶を繰り返して早逝したり再起不能になったり、あるいは奇跡的にリングに戻り再び命を削りながら闘うトップレスラーを数えたら国内だけでも両手で足りず、生き方が不器用でだらしなく借金だらけで家庭がぶっ壊れて荒んだ人生を歩むプロレスバカとなれば枚挙に暇が無いレベルで存在するわけですよ。パート毎にそいつらの姿が被ってきて涙ナミダなのであり、最後にはまるでランディ・ザ・ラムという実在のメインイベンターを追ったドキュメンタリーであるかのように彼の痛々しい人生に心を打たれ、エンドロールのブルース・スプリングスティーンの歌で完全にフォールされてしまったのです。
 さしてプロレスが好きでもなくミッキー・ロークの境遇を一切知らなくてもそれはそれで大丈夫。描かれるプロレス界の実態だけでも知らない人にはかなり興味深い内容で八百長認識を改める切っ掛けになるんじゃないかと思います。無論、笑いあり涙ありの人間ドラマとしても十分に見応えあります。

 娘にプレゼントする服を選んだり張り切ってスーパーの惣菜売り場でバイトするミッキー・ロークの姿は悲しくもユーモラスであり、ネタが被らないように試合内容を打ち合わせたり派手で痛すぎない凶器を検討したり罵倒の裏ではお互いを労りリスペクトする選手たちの姿も愛らしい。とにかく主人公含めレスラー達が悉くいい奴なんだがダメ人間というのが素敵。そもそも、治療に加え苦痛緩和や肉体改造の薬も欠かせず髪を染め日焼けサロン通いで外観を維持と、どう考えても興行のギャラではコストを賄えないわけでして、そのプロレス中毒ぶりには苦笑せざるを得ないのです。
 ストリッパー役をこなす40半ばマリサ・トメイの脱ぎっぷりも注目。盛りを過ぎた設定のわりに若々しく色っぽい姿態が嬉しいし、自立した女の強さと溢れる母性が破滅の物語に温もりを与えてくれるのです。あんなポールダンスやラップダンスが拝めて人生相談までのってくれるならストリップクラブ通いも悪くはないですな。

レスラー スペシャル・エディション [DVD]レスラー スペシャル・エディション [DVD]
(2010/01/15)
ミッキー・ロークマリサ・トメイ

商品詳細を見る

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

 『タイタニック』カップルの再共演と、キャッチコピーの「それは──誰もが逃れられない<運命の愛>」には騙されるなと話題の、ラブ・ストーリーに見せかけたげんなり夫婦生活サスペンス。1950年代のアメリカ高度成長期を舞台に、中産階級の理想の夫婦に見えて実はすれ違いと不満だらけのお二人が、鬱屈した日常にさよならして根拠乏しいパリ移住計画に乗り出すも云々という、「真っ白に燃え尽きるまで夫婦喧嘩せんでもいいのに・・・」な解り合えない男女の殺伐物語であります。何処までもうんざりな話ですが、映画としての出来は物凄く良いのが困りもの。いや~、独り者としては結婚されている方々は本当に凄いと思わざるを得ないです。嫁がいつもと違うことしたら要注意って事も教訓。

 アメリカでは超有名な60年代のベストセラー小説が原作なんだそうですが、ずっと映画化されず何故このタイミングで映画化されたのかが謎。当時は新鮮なテーマだったって事は理解出来ますが、この時代を境に米国は離婚大国に変貌し、それはエリート白人層も例外ではないどころか、今や「幸せになりたい症候群」は日本でも蔓延するほど肥大化しているのですから。『ノーカントリー』と同じで「昔は良かった」ってのが幻想ということを示してるんでしょうか?

 病的に理想を追い求め砕けていくケイト・ウィンスレットの凄味抜群の演技ばかりが誉められてる印象ですが、より見応えあるのはレオナルド・ディカプリオの方だと思います。この役は普通にやると化け物妻に振り回される悲惨な夫という構図に矮小化してしまうし、逆にバカ亭主を強調しすぎると一気に陳腐化します。けれどディカプリオは自身の持つ好感度を利用しつつ徹底的に薄っぺらくつまらない男を演じ、見事にバランスをとっているのであります。浮気の後の誕生会シーンでも大喧嘩の後の朝食シーンでも絶妙の愚か者ぶりに感嘆。
 そして、忘れちゃならないのがスパイス役を存分に果たす隣人一家。思った事は何でも口にしてしまう息子マイケル・シャノンの印象も強烈ですが、ラストシーンのキャシー・ベイツの言動に苦笑させられてる隙に、美味しいところを纏めて掻っ攫っていったじいさんに一本獲られました。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [DVD]レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [DVD]
(2009/06/05)
レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレット

商品詳細を見る

ラーメンガール

 7割方日本人キャストが日本語で芝居しておりますが、32歳の若さで急逝してしまったブリタニー・マーフィが主演で監督・脚本もアメリカ人が務めるハリウッド映画なのであります。タイトルからはトンデモ映画臭が漂ってきますが、実は日本の描写に違和感はあまり無く勘違いジャパンは期待ほど楽しめません。
 師匠に西田敏行が座ってる事もあり日米のカルチャーギャップを活かしたラーメン修行の人情喜劇になるのかと思いきや、『イン・ハー・シューズ』のキャメロン・ディアスのように人生の転機を迎え苦闘し成長する女を描くハートフルな人間ドラマを狙った模様。けれど、頑固オヤジの「魂」のラーメン道に説得力が無く、ロマンチックな恋も無いとなればこのジャンルは厳しいです。異文化を受け入れられず言葉も通じなくてなかなか理解し合えないのが肝の映画なのに、最終的に一年間修行しても会話が成り立たないというのも凄いし。

 とにかく店主のキャラが問題なのですが、これは作り手が下手に日本を知ってたが故の失敗と推測します。きっと『ガチンコ!』をTVで観たんですよ。気が短く口より先に手が出て、ヘビースモーカー且つ大酒飲みで、技術より精神論で、食べもしないでスープ捨てちゃうラーメン屋ですから。あれはテレビ屋の演出で実在の人格とは別物だと思うのでぶっちゃけますが、あんな日本人でも首をかしげる特殊な人をモデルにされちゃ『おしん』みたいな話にしかなりません。それを日本の精神を学んで癒されるヒロインという流れに持って行こうとするんだから無理があります。基本「いい人」な役なのに西田の愛嬌は発揮されず、ブリタニーの持ち味のキュートで明るく前向きなキャラも活かせず。二人とも的確に演じてはいるんですが・・・。

 それでも『タンポポ』のオマージュで「ラーメンの達人」に山崎努が起用されてるのは好感。その他の日本人キャストも演技派のベテラン揃いなので演出が多少変でも安心感があります。日本人を演じる韓国人俳優が混ざってますが、いつものいい加減なハリウッド流アジアン・キャストではなく戦略的に日系三世と位置づけての人選なのでこれも文句はつけられません。ただ、この日本語の多さからしてアメリカ人相手に商売する気は無いのでしょうけど、西洋人キャストに華がないのは残念。だったらせめて日本在住の有名タレントを起用して欲しかったです。それにしても、どういう経緯でこの作品が作られることになったのかとても気になりますな。

ラーメンガール [DVD]ラーメンガール [DVD]
(2009/05/27)
西田 敏行ブリタニー・マーフィー

商品詳細を見る

レッドクリフ PartⅡ ―未来への最終決戦―

 さて、なんか飛び抜けたセンスの副題がついた後編。強引に二部作にした関係でネタは「最終決戦」しか残ってません。これだけで2時間保たせるのはきつい筈で、孫劉同盟の内輪の工作合戦を除けてしまった「赤壁の戦い」に劉備&超人トリオの活躍する場が無い点も厄介です。そんなわけでオリジナル・エピソードで肉付けしてくるとは思ってたんですが、「赤壁」本戦までアレンジしまくるとは予想外。結局は「男と男の約束」のジョン・ウー映画に帰結するんですが。

 いきなり「孫権の妹が男装して曹操軍に潜入」という孔明さんの冗談みたいな策略が炸裂し、対する曹操も「死体を孫権軍に送りつけ疫病蔓延」という無理筋の計略を成功させ爆笑。白馬をペイントした偽シマウマや「大きい耳のネコ」なるミッキーもどきが通用し、大量死した魚を何の疑問もなくお持ち帰りしたり毒餃子で二次被害を出すうっかりな国民性がよく出てます。
 そんなこんなで大スペクタクル本番までの間延びは否めず。また周瑜さん英雄視に拍車がかかり、希代の英傑・曹操は無能で寝取り属性の下衆野郎になっちゃうし、あろうことか礼節の大器・劉備が信義にもとるダメオヤジに成り下がります。更に、ピンチに援軍登場で形勢逆転という流れにせず劉備に見せ場を与えないジョン・ウー監督の人が悪さが素敵です。孔明には「10万本の矢」のエピソードがあるものの、それも結局は周瑜のダシで後は天気予報ぐらいしか功がないです。矢を集めるシーンで「誰か火矢を放っちゃえば面白いのに」とか思ってる孔明嫌いのマピールさんでもちょっと同情なのでした。更に周瑜リスペクトの弊害は「孫」側にも及び、黄蓋の一世一代の作戦はあっさり却下され、「連環の計」の鳳雛先生は存在自体が無かった事に。で、代わりに活躍するのが愛妻の小喬さんってんだから・・・まあ、いいか。美女の出番が増えるのは。
 問題は大幅改変の末に物語がまとまらなくなってるところ。ラブ&ピースに持ち込むなら持ち込むで三国に共通認識が芽生える流れにしなきゃならんのに、周瑜と孔明が勝手に絆を結んでるだけだから最後の曹操の処理に困るわけです。あんなんで孫権や劉備に納得されちゃ戦死者達に申し訳が立たないですよ。

 前編を見た誰もが期待し延々とオアズケをくらうことになる赤壁のクライマックスですが、目玉の「火計」は大迫力で何万隻もの曹操船団が燃えていく様は壮観。投石機や火矢の描く空のアートに暗闇の水面を煌々と照らす炎、強引な上陸作戦にばたばたと倒れる雑兵達。そこから陸戦に傾れ込み豪傑達のオモシロ大活躍。前回程の超人バトルはありませんが、劉備や孫権までが前線に投入される凄い展開で、決めポーズがいちいちカッコイイです。ただ、曹操側将軍が空気同然なので盛り上がりに欠けるのが残念。奴ら全員後方待機なんですが前線は誰が指揮してるんでしょう?

レッドクリフ Part II -未来への最終決戦- スタンダード・エディション [DVD]レッドクリフ Part II -未来への最終決戦- スタンダード・エディション [DVD]
(2009/08/05)
トニー・レオン金城 武

商品詳細を見る

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。