Wring that Neck

DVDで観た映画の感想

ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT

 爆走カーアクション・シリーズの新主人公にしては運転が下手な老けた高校生は暴走行為を繰り返した為に米国に居られなくなって在日米軍の父が住む日本へ。日本語が全く話せないのに普通の都立高校に編入された実年齢25歳のルーカス・ブラックが学ラン着て向かったのは、やたらと外人率(&改造車所有率)が高い高校で直ぐに黒人のダチをゲット。更に、露出度の高い日本のギャル達とドレスアップ・カーの集う夜の兜町の地下駐車場で、日本人には見えない日本の走り屋たちと運命の遭遇。早速、ドリフトキングのくせに大人気無いヤクザの甥っ子に因縁つけられて狭苦しい地下でレースに。ビバ!狭い日本。ドリフトを知らない主人公はボロ負けした挙句に借りた車を派手に壊し、弁償のため中国系の男の舎弟として日本の裏社会と関わりつつドリフトを学んでいくのであった。・・・うーん、なんだかこのままヤンマガに連載出来そうなプロットであります。
 このようにストーリーは薄っぺらく、ソニー千葉以外の日本人キャストはほぼ意味がなく、前作との繋がりも無くなってますが、本作がきっとシリーズ最高傑作。基本的にはレースシーンだけ観る映画なのですが、潜入捜査モノからホットローダー青春モノにスケールダウンしたのが功を奏し、暴走天国でなんでもレースでオトシマエがついてドリフトの優劣で男の価値が決まる妄想トーキョーで無法を働きまくるガイジン達が最高にアホらしいです。シリーズの関連性をギリギリで残したオチも良かったですね。

 けど、この手の映画にしては勘違い日本を楽しめそうで楽しみきれないのは難でした。ナチュラルな間違いはあまり無く意図的なものが多いです。この監督、日本文化を誤解してるんじゃなくて無視してアメリカ文化をそのまま持ち込んでるんですよね。出てくる奴が皆アメリカ感覚でガンガン車をぶつけて妨害するだのされちゃ興醒めってもんです。実より名をとる日本人の美意識、特に何よりもメンツが大事なジャパニーズ・ヤクザがわかってない。んで、よりによってゴスロリとかパラパラとかで日本文化を強調するもんだからアメリカン・テイストに埋没してしまいギャップとして機能しないのですよ。面白いんだけどあまりにも底が浅いんですよね。それに全体にシュール・ギャグを狙いすぎ。

 しかしながらレース・シーンは圧巻。渋谷駅前交差点ドリフト3重連とかド迫力シーンが多々あります。ロケ地こそアメリカですがもちろん実車映像。ハリウッド映画ってやっぱり凄いです。市街地ばかりかと思いきやちゃんと峠も攻めてるのがグッド。なんでドリフトの映画で主人公のメイン・マシンがランエボなんだってのはあるけど、どんな所でもとりあえず滑らせるカー・アクションは満足感が高いです。スライド感覚を見事に伝えるカメラ・ワークで、別撮りで運転シーンを演じる役者さん達の動作も本物っぽいです。惜しむらくはリアルな背景を再現していながら完全に無視されている地図上の繋がり。まあ、東京の道路に詳しくなけりゃ特に気にならない部分ですがね。

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT
ルーカス・ブラック (2006/12/22)
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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笑の大学

 西村雅彦×近藤芳正の二人芝居で好評を博した三谷幸喜の舞台劇の映画化。僕はこの芝居は観てないんですが、10年ぐらい前にオンエアされたラジオドラマをたまたま聞いています。その時は三宅祐司×坂東八十助で、坂東八十助が妙に面白かった記憶があります。ただ、これは全編大爆笑っていうコメディではないし、ウディ・アレン的な笑いが駄目な人にはお薦め出来ない。
 そんな訳で観る前から役所広司×稲垣吾郎というキャスティングは疑問視してました。歴代キャストを考えれば稲垣君だけが見劣りするのは明らかですよね。でもそんな事は撮る方も脚本書く方も折込み済みで、主役は完全に役所さん一人に絞り込まれてたし、期待に違わぬ熱演を奮ってました。だからまあ稲垣君は無難に脇役をこなしてたと思う。よく頑張ったといってもいい、許してあげようよ。
 ストーリーはしっかりしてるし、二人芝居の映画化も意外に上手くいってる。全体的にはいい映画の範疇なんだけど、どうにも厳しいのは演出。妙なアップが多すぎるし、「さぁ、ここで笑って!ここで泣いて!!」という感じで、押し付けがましく全体にクドい。このクドさが特に終盤をひどく退屈なものにしてると思います。ラストはもっと洗練されてる方がいいですよ。
 この映画は決め台詞「さるまた失敬!」(こりゃまた失敬のもじり)をはじめ、駄洒落が多く散りばめられてるんですが、どう翻訳したのかDVDには英語字幕がついてます。本当にこの英訳で笑えるのかスキルの低い僕には皆目見当が付かないんだけど、英語が得意な人にはこの辺りも注目なんじゃないかと。
 それにしてもエンド・クレジットにある木梨憲武の出演場面が未だにハッキリしないですが・・・。

笑の大学 スタンダード・エディション 笑の大学 スタンダード・エディション
役所広司 (2005/05/27)
東宝

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