「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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オープン・ウォーター

 海の真ん中に取り残されたダイバーの恐怖体験を描く海洋遭難モノ映画です。最初っから海が怖くて足が着かない領域には近寄らないマピールさんにとって、この状況は非日常の世界でしかないからダメージは少ないけど、マリン・スポーツを楽しむ輩にとってはかなり怖い話でしょうね。リゾートに出かける知人とかにどんどん見せて嫌がらせしましょう。

 このシチュエーションを救助側を交えずに被災者側に絞って撮るというアイデアは素晴らしいです。惜しむらくは、題材を充分に活かす力量も予算も全然足りて無かった。救助待ち一辺倒で特に打つ手が見当たらないという状態なので局面の変化で話をもたせるしかないんですが、クラゲやサメが絡むだけじゃテンションを保ちきれずだらだら感が気になります。売りである本物のサメに囲まれながらの体当たり撮影は凄いですが、殆んどそれだけにエネルギーを注いでしまったのか、画質は悪いしチープさが漂ってるし見せ場となるシーンに乏しいしで勿体無さが際立っているのであります。海しか映ってないのに海の広さが撮れてないってのはどうかと。
 役者さんもあまり巧くないですし、ほぼ全篇に渡って繰り広げられる主役二人の会話劇がさほど面白くないのも厳しいです。何とか助かって欲しいと思わせるようなキャラ作りになってないのも問題で、ボンクラなガイドの船に乗ってしまっただけの運の悪い夫婦のワリに同情出来ない。導入部のドラマ作りに失敗したという他にないですね。

 非常に賛否が分かれそうですが、マピールさん的には結末はアレでいいと思います。間髪いれずにエンドロールで緊張感を引っ張ったのも上手い。最初に実話と強調しておきながら実はほぼフィクションってのは反則技だけどまあ許容範囲で。
 サメの恐怖よりも何も起こらないことの恐怖を強調して描く試みはなかなか面白かったですが、一番度肝を抜かれたシーンは必然性もなく披露されたヒロインの大胆ヘアーヌードだったり。・・・あらゆる点で何かが間違ってる映画です。

オープン・ウォーター オープン・ウォーター
ブランチャード・ライアン (2005/11/16)
ポニーキャニオン

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魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE

 このところ殺し合いの映画ばかり立続けだったんで、この辺りで間違っても死人とは縁のない映画としてチョイス。原作はシュールでナンセンスなギャグ漫画で、しかも脈絡のないショート・ショートという高いハードルの作品です。正直、大外しを覚悟してたのですが意外とまともというか「クロ高」以外の何者でもないのでした。あの独特の微妙な空気を見事に再現してます。つまり、あの漫画が好きな人以外にはお薦めできません。

 前半は原作の初期エピソード中心で、かなり原作に忠実に進行。ぶっちゃけ出オチのオンパレードなので原作知ってるとインパクト不足は否めません。んで、主要キャラが出揃ったところからオリジナル要素が混ざり始めるわけで、これが遜色ないくだらなさで悪くないんですが、地球防衛軍ネタを引っ張りすぎてショート・ショートのリズムが壊れたのが残念でした。しかも、映画とかのオマージュが軒並み古い。「エクソシスト」とか「宇宙猿人ゴリ」とか。ターゲットがいつの世代なのか謎なのでした。

 ・・・というわけでお話は息切れ気味に進んでいくわけですが、この作品は神がかりなキャスティングに尽きるのです。特に、原作から飛び出してきたかのような主人公・神山を演じた須賀貴匡が素晴らしいです。金子昇の頭を抱える北斗もかなり似てます。二人とも特撮ヒーロー出身の二枚目なのに嵌り過ぎ。一方でオリジナリティを追求したのがフレディで、この役に渡辺裕之をもってくるセンスが先ず凄いんですが、渡辺さんの居るだけで面白い存在感はMVPものでした。
 そして、阿藤快さん。カメオ出演かと思ったら出まくりでビックリしました。若手俳優ばかりの中に唐突に加わるし始終微妙なポジショニングなのに気がつくと妙に馴染んでるのが素敵です。しかも、主役でも監督でも脚本でもないのにコメンタリーで一人喋りを披露するサービスっぷり。話すことないのに無理矢理コメントしてる感が凄い。あと、雷波少年の鮒子さんが、たぶん唯一の女性出演者ってのも凄いです。

魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE 通常版 魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE 通常版
須賀貴匡 (2006/01/02)
キングレコード

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ミュンヘン

 日本勢では男子体操や男女バレーが活躍した72年のミュンヘン五輪で起きた、パレスチナ・ゲリラ「黒い九月」によるイスラエル選手団11人殺害事件の報復の為にパレスチナ人11人を狙うモサド暗殺チームのお話。ただし、あくまでインスパイアでありノンフィクションではありません。勿論エンタメ路線でもありません。『シンドラーのリスト』とテーマは似通ってますが、向こうは人助けの話でこっちは人殺しの話、我々に与えられるのは感動ではなくずっしり重い苦悩なので映画ぐらいハッピーでありたい人はパスしてください。

 ユダヤの同胞から裏切り者呼ばわりされ、パレスチナ側からはイスラエル寄りと批判されるスピルバーグ渾身の問題作は、面白いことにパレスチナ問題から遠い位置に居る日本でも右と左が真逆の視点で猛反発のご様子。たぶんスピルバーグの目論見どおりの反響で、みんな痛いところを突かれたってこと。この圧倒的な嫌悪感は凄いですよ。
 でも小難しい政治的なテーマを扱ってる3時間弱の長い映画でありながら、見事なサスペンス演出で退屈させない演出力に感服です。ヒッチコックやスパイ大作戦のようなエッセンスに70年代の退色フィルムの雰囲気を再現してみせ、しかし痛快娯楽アクションじゃなくハード・バイオレンスという不思議なテイストなのです。

 暗殺チームはエキスパート揃いのように見えて実は素人集団、みんな諜報部員のつもりでいたら殺し屋に任命されちゃったみたいな普通の人達で、任務は毎回不手際だらけでコミカルなんだけど、人が死ぬシーンは物凄くリアルというダークサイド・スピルバーグ・ワールド。包帯だらけ・埃まみれのオチが似合うコント展開から一気に具合が悪くなるほど血生ぐさいシーンに飛び込んでいきます。悪質。
 殺し屋チームが善人揃いならターゲットも善良に見える普通の市井の人々という中で、さも当然のように狂った理論を振りかざしチームを理不尽な状況に陥らせる上官が最高でした。あとは、やっぱりオランダ女が儲け役。

 この映画の主張は「報復の連鎖では何も事態を解決しません。さて皆さん、どうすればいいと思いますか?」なんて問題提起ではない気がします。パレスチナとイスラエルの闘いというのは比喩にすぎず、この映画の真の批判対象はどっかの大統領とその後ろにいる能天気で絶対正義な皆さんなわけで、そんな中立的な立ち位置にスピルバーグが居るとは思えません。劇中で主人公とパレスチナ青年の主張は平行線を辿りパレスチナ問題は簡単に解決できないことは示されてます。人の数だけ正義があり時には暴力に暴力で応じることも否定しないけど、破っちゃいけないルールはあるし明後日の方向に飛び火させるのは言語道断ってことじゃないかと。星がいっぱいな国の最近の介入はとにかく大雑把で、映画のヒットマン・チーム以下の素人集団が余計な被害を増やすわりに結果が伴ってないわけですから。

ミュンヘン スペシャル・エディション ミュンヘン スペシャル・エディション
エリック・バナ (2006/08/18)
角川エンタテインメント

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機動戦士ZガンダムⅢ -星の鼓動は愛-

 新約ゼータの最終章は三部作では一番観やすく編集されてまして、前作のようにニュータイプ能力を要求されることはありません。更なるスピード・アップを覚悟してたんで拍子抜けでした。原作自体が特別ややこしい箇所なんで予備知識なしに理解不能なのは同じですが、ぎりぎりで1本の映画として成立してる点が過去2作と異なります。
 ただし、下準備無しに二人の強化人間の最期などの重要エピソードを全面カットしたため、三部通しての纏まりは極めて悪く主人公の成長物語としてはぼやけた印象になりました。さしたる理由もなくフォウとロザミアがラストの残留思念に加わってるのは失笑モノ。まさに刻の涙を見た思いです。

 さて最大の注目点、ハッピーエンドに変更と富野監督が公言してたラストですが、もっと生還者が増えるかと思ったらカミーユ以外は変更なし。ぶっちゃけ勝ち負けに意味のない悲惨な戦争を最後は力技で夢と希望に収束させる御大お得意のパターンなのでした。旧作ファンから不満の声が間違いなく上がるでしょうが御大は元々そういう作風なんですよ。全員玉砕のイデオンですら最後はポジティヴに決めてるわけで、主要人物の大半が戦死&主役が発狂で戦争も終わらないというTV版ゼータは明らかに異質だったから禿が直したくなるのは当然。ただ、ろくに恋愛描写もやらずに最後で唐突にいちゃつかれてもというか、和んでる状況では全くないんですが。群集キャラに等しいサエグサさんがこんな大事なところで目立ってるのもなんだか。最初、代わりにこの人が精神崩壊しちゃったのかと思いました。

 それはさておき、物語の大半を占める戦闘シーンは全体に満足度が高いです。ロボットアクションとしては最高峰のレベルじゃないでしょうか。旧作画との混在もかなり減って、コロニーレーザーを巡る三巨頭バトルなんてオール新作に差し替えですよ。ゼータの変形ギミックも今回はじっくり。プラモを売るのが目的なら大成功でしょう。ただ、百式のラストバトルはやり過ぎで、あれだとシャアの脱出法はこっそりキュベレイに貼りつくぐらいしか無い気がしますが・・・。
 マピールさんにとって嬉しいのは、旧作では「ただ強いだけ」呼ばわりで晩年はギャク要員に身を落としたあのお方のエースといっていい獅子奮迅の大活躍。確実に金色のグラサンや白い顔よりも働らいてます。しかも、やっぱり脱出に成功。ピンクの髪の人は早急に回収して帷幄に加えるべきです。

 一方、前2作でシャア&レコアの新カットを追加してきたにもかかわらずレコアの裏切りは解り難いままだったり、敵役のポジションにいたはずのジェリドが今回はどーでもいい奴に成り下がってたり、ドラマのトータル・コーディネイトが出来てないのが残念です。それでいてカツ&サラ(また声が変わってる)のうざさを余すことなくフォローしてるし。
 そして、「・・・・私の分は!?」と3時のおやつを主張する地に堕ちた赤い彗星、旧キャラ揃い踏みになぜかハブられてるハヤト、更に無かったことになったっぽいZZの皆様が物悲しいのでした。

機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛- 機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛-
安彦良和、大河原邦男 他 (2006/08/25)
バンダイビジュアル

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ブロークバック・マウンテン

 1960年代のカウボーイの同性愛物語。映画賞総ナメの話題作にして米国保守層猛反発の問題作です。しかし、見終わった直後の感想は正直「噂ほどではないな。」でした。絶賛を集める理由がいまひとつ理解しかねます。実にアカデミー賞的なアメリカらしい映画だとは思いますし、撮影や演技も素晴らしかったしお話に深みもあって面白いんですが、あまり感動はしませんでした。とりあえず生理的嫌悪感は付き纏ったんで、自分はノーマルなんだと確認できて良かったです。

 ああ、感想が書きにくい。よく考えたら、そもそもマピールさんは同性愛以前に恋愛映画そのものが苦手だったのでした。だから、たぶんこれがヘテロの不倫映画だったとしても上手く理解できない筈で、ましてや劇中の男どもは只のホモじゃなくてバイでして、その心理はちょっと想像つかないです。「よりによって旦那の浮気相手が男ってのは奥さん可哀想だなぁ。」と思いつつ「でも女には悪いけど、男だけでつるんでガキのように遊ぶってのはあるよなぁ。性行為に発展はありえんけど。」ってな陳腐な感想しか浮かばないのです。

 ゲイの悲恋って要素を除けば、失われていく古き良き時代の悲哀の物語であり、淡々と描かれる前半の二人の共同生活シーンは一昔前のカウボーイの仕事がどういったものなのかわかって面白いです。ロデオの世界もよく知らないので新鮮でした。両者が妻を娶った後は、美しい大自然と無機質な町の対比が秀逸でした。
 役者がみんな凄い熱演で、特に主役のヒース・レジャーは寡黙な人物を演じてるのに少ない描写で感情を表現するのが物凄く上手いです。映像で語るアン・リー監督の作風を見事に支えてます。メインの男女4人ともヌード有りってのも今時のアメリカ映画にしちゃ珍しく、そういう意味でも凄く頑張ってます(濡れ場はさほど多くないんですけどね)。

 うーん、無意識に賛辞ばかり並べてるところを見ると、やっぱり名画なんですかねぇ?世間の雰囲気に騙されてるだけですか?観賞後の第一印象がイマイチだったわりに、なんか現在もジワジワと来るものがあるんですよね。評価に困る作品です。

ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション
ヒース・レジャー (2006/09/22)
ジェネオン エンタテインメント

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