「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト

 3作目を観賞した結果、壮大な伏線とか一切なしの無駄に長い映画って事で確定。まあ、予想通りではありました。キャラクター映画がダメな人は2作目以降は無かった事にしちゃうのがお薦めです。でも、世間的なブーイングを他所にマピールさんはこのパート2を擁護しますよ。パート3までは面倒みきれないですが。
 本来、ディズニー・アトラクションの企画モノ映画としてキッズ達に楽しんでいただければ御の字の作品だったはずなのに想定以上の成功をもたらしたのが1作目。敵は壊滅しカップルは結ばれ海賊達が旅立って大団円を迎えた作品ですが、その人気ゆえに構想など全くない続編のオファー。しかも2本分。脚本を練る余裕も無く見切り発車で撮影と来れば、話を引き伸ばしつつ後付の設定で破綻していくのは仕方ない。だって大味の代名詞・ブラッカイマー製作ですよ。終わるべき時に終われなかった作品として少年ジャンプ的な悲哀を感じずにはいられないのです。

 確かに、150分より遙かに長い体感時間はトホホ感が漂います。何の脈絡もない謎の部族とのやりとりとか三つ巴の水車アクションで引っ張りすぎという指摘はあるでしょう。でも、このバスター・キートン的アクションが一番面白いわけですよ。ここを省くとスッキリするけどかなりつまらない話になるわけですよ。いや、「メインストーリーを面白くしろ」というのはごもっとも。でもね、設定に致命的制約があるのですよ。
 それは主人公キャプテン・ジャック・スパロウのキャラ造形。確かにジョニー・デップが演じた悪の魅力たっぷりで危うくも可愛く実はドジな三枚目は作品の肝です。しかし、その本質は話の本筋を引っ掻き回しているだけの邪道キャラなのですよ。横道に逸らし緊迫感をぶち壊すのが彼の役割。一回限りだったから許された反則技を何度も使わざるを得ない哀しさを背負いながら、さすがはジョニー・デップ。不在のシーンが明らかに間延びする程に独りで大奮闘です。
 問題はスパロウ船長が濃すぎて他のキャラが負けること。今回、終盤に物凄く好感度を下げたキーラ・ナイトレイ扮するエリザベス嬢は、実は前作でもかなり残酷なことやってるのであの行動はありなんですが、あまりにも唐突でした。男装姿はドレスより映えてて良かったんですが苦悩とかもっと感情表現が欲しかったです。正統派サブ主人公ウィル役のオーランド・ブルームは存在感が薄く、賭けや鍵の奪取といった見せ場がダメダメ。グロいだけでお間抜けな敵海賊たちも含め、観客に訴えかける演出がまるで出来てません。それに宝箱の中身の正体は最後まで隠すべきだと思いますよ。
 そして物議を醸すラスト。敢えて3作目を封印すれば『男坂』級の伝説的打ち切りだったんですが、後編作っちゃった以上は尻切れトンボでしかないです。でも、『帝国の逆襲』の時ほどのショックは無かったですよ。盛り上がりのピークで切られた訳じゃないから。

 それから、ディズニー・アトラクションにフィード・バックできるギミックが多数用意され、視覚効果に関しては文句なしでした。メイキングを観るとハリウッド・マネー恐るべしを実感できます。とにかくひたすらグリーンバック撮影で特撮者の目を楽しませてくれるマニアックな技の数々を堪能。前回の必殺海上ドリフトに続き今回は帆船潜行シーンが素敵でした。クラーケンの容赦ない殺戮振りもよろしいのですが、奴が出てくるとテンポも雰囲気も崩れるのが難ですな。

パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト スペシャル・エディション パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト スペシャル・エディション
ジョニー・デップ (2006/12/06)
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

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陽気なギャングが地球を回す

 どんな嘘も見抜く男、正確な体内時計を持つ女、天才的なスリ、そして演説の達人。ロマン溢れる4人の銀行強盗チームの活躍を描く伊坂幸太郎のクライム・ノベルの映画化作品です。原作は読んでませんが、この映画が原作よりかなり劣化してることは充分に想像つきます。一言でいえば中途半端。

 ギャング達のキャラ設定は興味深いし、キャスティングも悪くないです。衣装もスタイリッシュに頑張ってるし台詞回しもユーモアに溢れ雰囲気はいいです。安っぽいCGアニメのカー・アクションも邦画の予算を考えれば許容できます。陽気でコミカルで荒唐無稽と面白そうな要素はたっぷり。でも、演出が絶望的にヘボ。
 例えば、常に時計が見れる状況で活動する鈴木京香は只の凄腕ドライバーにしか見えませんし、松田翔太のスリ能力が無くても強盗作戦は成り立つなど、特殊能力を充分に活用出来てません。大沢たかおの嘘発見能力が曖昧なのは嘘をはっきりと見破る描写が少なすぎるからです。これじゃ逆転のカタルシスが得られません。
 更に、観客が設定を理解してない序盤に伏線を貼ってるもんだから終盤の展開がわかりにくい事この上ないです。同じシークエンスを繰り返す銀行強盗シーンも退屈だし、計画通りの部分と偶発的要因がごちゃ混ぜなのも問題です。加えて間延びするだけで意味がないラブシーン。この映画に必要なのはロマンであってロマンスじゃない事をわかって欲しい。

 やっぱりね、この映画は原作ファンが怒ろうとも実写版ルパン三世で行くべきだったと思います。目指すべきはナンセンスでスラップスティックな痛快アクション。黒幕探しやトリックのようなミステリ要素なんて邪魔です。かなり強引な展開になっちゃっても「俺に嘘は通用しない!」で通る設定なんだから、もっともっとポップに弾けて突っ走らなきゃ。ストーリーそっちのけのキャラ重視で目一杯遊ぶべきなのに妙に小さくまとまってるんですよねぇ。見た目は美味そうでも全然物足りないです。
 しかし、佐藤浩市の演説男は最高。軽さといい大人気なさといいノリノリで気持ちいい。長台詞の数々を見事にこなすし語る内容も面白いです。彼だけは本来あるべきキャラクターを表現しています。いや、他の3人も演出が間違ってるだけで演技は見事にハマってるんですが。酷い映画ですがスタッフを変えて同キャストで続編作るなら見限れないかも。

陽気なギャングが地球を回す プレミアム・エディション 陽気なギャングが地球を回す プレミアム・エディション
大沢たかお (2006/10/25)
ジェネオン エンタテインメント

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ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT

 爆走カーアクション・シリーズの新主人公にしては運転が下手な老けた高校生は暴走行為を繰り返した為に米国に居られなくなって在日米軍の父が住む日本へ。日本語が全く話せないのに普通の都立高校に編入された実年齢25歳のルーカス・ブラックが学ラン着て向かったのは、やたらと外人率(&改造車所有率)が高い高校で直ぐに黒人のダチをゲット。更に、露出度の高い日本のギャル達とドレスアップ・カーの集う夜の兜町の地下駐車場で、日本人には見えない日本の走り屋たちと運命の遭遇。早速、ドリフトキングのくせに大人気無いヤクザの甥っ子に因縁つけられて狭苦しい地下でレースに。ビバ!狭い日本。ドリフトを知らない主人公はボロ負けした挙句に借りた車を派手に壊し、弁償のため中国系の男の舎弟として日本の裏社会と関わりつつドリフトを学んでいくのであった。・・・うーん、なんだかこのままヤンマガに連載出来そうなプロットであります。
 このようにストーリーは薄っぺらく、ソニー千葉以外の日本人キャストはほぼ意味がなく、前作との繋がりも無くなってますが、本作がきっとシリーズ最高傑作。基本的にはレースシーンだけ観る映画なのですが、潜入捜査モノからホットローダー青春モノにスケールダウンしたのが功を奏し、暴走天国でなんでもレースでオトシマエがついてドリフトの優劣で男の価値が決まる妄想トーキョーで無法を働きまくるガイジン達が最高にアホらしいです。シリーズの関連性をギリギリで残したオチも良かったですね。

 けど、この手の映画にしては勘違い日本を楽しめそうで楽しみきれないのは難でした。ナチュラルな間違いはあまり無く意図的なものが多いです。この監督、日本文化を誤解してるんじゃなくて無視してアメリカ文化をそのまま持ち込んでるんですよね。出てくる奴が皆アメリカ感覚でガンガン車をぶつけて妨害するだのされちゃ興醒めってもんです。実より名をとる日本人の美意識、特に何よりもメンツが大事なジャパニーズ・ヤクザがわかってない。んで、よりによってゴスロリとかパラパラとかで日本文化を強調するもんだからアメリカン・テイストに埋没してしまいギャップとして機能しないのですよ。面白いんだけどあまりにも底が浅いんですよね。それに全体にシュール・ギャグを狙いすぎ。

 しかしながらレース・シーンは圧巻。渋谷駅前交差点ドリフト3重連とかド迫力シーンが多々あります。ロケ地こそアメリカですがもちろん実車映像。ハリウッド映画ってやっぱり凄いです。市街地ばかりかと思いきやちゃんと峠も攻めてるのがグッド。なんでドリフトの映画で主人公のメイン・マシンがランエボなんだってのはあるけど、どんな所でもとりあえず滑らせるカー・アクションは満足感が高いです。スライド感覚を見事に伝えるカメラ・ワークで、別撮りで運転シーンを演じる役者さん達の動作も本物っぽいです。惜しむらくはリアルな背景を再現していながら完全に無視されている地図上の繋がり。まあ、東京の道路に詳しくなけりゃ特に気にならない部分ですがね。

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT
ルーカス・ブラック (2006/12/22)
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ

 シリーズ19作目、朝原雄三監督になって4作目の舞台は今や地震から復興中の能登。前回ドタバタし過ぎた事の反省か今回はやけにおとなしいです。良く言えばしっとりアダルト感ですが、はっきり言って笑いも泣きも薄味。ハマちゃん宴会芸無し、合体も無し、「とりあえずは元気でいこうぜ」も無しとお約束が外されてるのも物足りないです。鈴木建設営業三課も異動になったのか地味なメンバー構成でハマちゃんまで普通に仕事してるから何か落ち着きません。お話もグダグダだし失敗作だと思います。

 例によって「釣りバカ」パートと「男はつらいよ」パートが混在する構成ですが、レギュラー陣とマドンナ・カップルの絡みは今回も悪いです。マドンナが鈴建に復帰した社員なんで上手く馴染むかと期待したんですが設定を活かせず、その後も「マドンナに惚れる釣り船屋のハチ」とか「ハマちゃんとの仲を疑うマドンナの兄」などの要素がありながらそこから騒動に発展しません。ハマちゃんはまともに仕事して合間に釣りしてるだけで暴走しないし、その仕事ってのは能登のケアセンター建設なんですが、そこからスーさんの老いに話が繋がりそうでこれも繋がりません。輪島周辺と金沢を行ったり来たりしてるだけで特に中身がないのです。映画の性格故に観光紹介が必要なのはわかりますが、露骨に輪島塗の講釈が始まったり半島の根元と先端を頻繁にワープされると興醒めです。
 そして更に問題なのがマドンナ恋物語。前段と後段で全然話が繋がってません。序盤の鈴建から釣りの流れまではいいのですが、いきなりマドンナが輪島に帰省してる辺りから雲行きが怪しくなり、唐突にマドンナが抱える問題は棚上げされロマンスへと移行。しかもカップル成立過程を大胆に端折ってあって呆気。更に結婚反対の兄が折れるまでが神速。「釣りバカ」勢が関わる余地なんて最初からどこにもありませんよ。折角、輪島塗が色んな工程を経て一つの器になるって話をしてるのに何故こんなに大雑把な描写になっちゃうんでしょう。

 そんなこんなで物語はダメダメですが、マドンナ・石田ゆり子は齢の割りに妙に可愛く、そして何だか艶めかしいです。惚れそうです。大泉洋も普通なら悪印象のいい加減な酒呑みを好感度高く演じていたのが立派。終盤のお二人は幸せそうでよろしい。
 レギュラーは皆さん安定感たっぷりで特に言う事無し。最近はめっきり出番が減っていて体調が心配される三國連太郎さんですが、今回はハマちゃんとの競演が多いのでほっとします。スーさん釣りしないけどね。釣りに同行するのはマドンナだけで今回も釣りとかどーでもいい扱いであります。ちゅか、大泉と釣りバカコンビの競演なんてトータル3分弱しかないしね。西田敏行と大泉洋の掛け合いに期待してたのに。

釣りバカ日誌 17 釣りバカ日誌 17
西田敏行 (2007/01/27)
松竹

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トランスポーター2

 リュック・ベッソン絡みの映画を観るには3つのルールがある。
  1:疑問に思っても質問はしない
  2:伏線のことは忘れる
  3:リアリティとか考えない

 自分に厳しいルールを課し完璧に仕事をこなすのが身上の「裏の運び屋」が主人公のカーアクション&クンフー映画。続編は1作目を越えられないという定説を覆し華麗にパワーアップしてます。バカ映画だけど。それに続編になってないですよ、コレ。主人公の性格はかなり男前になってるし、「3つのルール」はどーでもよくなってるし、そもそも運び屋の仕事をしません。まあ、ベッソンが初期設定なんか覚えてるわけないですしね。よって前作観てなくても全く問題なし。

 とにかく頭を空っぽにして観るには最高の娯楽映画です。クールな禿、ジェイソン・ステイサムの大真面目な演技とリュック・ベッソン一味の荒唐無稽でツッコミどころだらけのプロットとのマッチングが素晴らしい。ジャッキー・チェンの映画みたいな香港テイストのバトル&チェイスが見応えあり。格好良くも馬鹿すぎる描写の数々を強烈なインパクトだけで繋ぎ最後まで飽きさせない脱帽の職人芸です。

 ストーリーは有って無いようなもので、それよりキャラ立ちを徹底的に重視。なんたってランジェリー姿の女殺し屋ですからね。何をどーしたらこんな狂ったアイデアが出てくるのか。何故か重要会議の場で踊ってる初登場シーンから妙に呆気ない最期まで、このサブマシンガンをひたすら乱射する悪の情婦が最高にアホらしくて素敵です。ボスも物凄く間違った剣道シーンとかいい味出してましたが、ラストバトルがグダグダで残念。
 そして、妙に頑丈なアウディを駆り、何故か警察には情報を流さず、銃は使わず無手で戦い、時折意味も無く殺人行為に走る我等の主人公。6歳児を巻き込む必然性など全く無い極めてアバウトで頭悪い、しかしスケールが無駄に大きく未曾有の大惨事な作戦を阻止すべく大活躍です。問題はトランスポーターの仕事の範疇にかすりもしないことですが。
 それと、悪の組織はあのウイルスをテロ・グループに売った方が遙かに儲かる事に気付いて欲しいです。

 B級と割り切って観る分には文句なしのアクション映画ですが、不満はカー・アクションにCG蔓延りすぎな点。隣のビルに飛ぼうが空中回転しようが構いませんが出来る限りスタントで撮って欲しいところでした。
 あとプロットが盛大に跳んでる終盤のいい加減さは凄まじいです。特に、子供との約束を果たすってのが主人公の行動原理なのに、子供の方はそんな約束(というか主人公を)すっかり忘れてるような描写で終幕ってどうなのかと。・・・おっと、それはリュック・ベッソン映画の観賞ルールに抵触。

トランスポーター2 DTSスペシャル・エディション トランスポーター2 DTSスペシャル・エディション
ジェイスン・ステイサム (2006/10/13)
角川エンタテインメント

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