「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様

 ハマちゃん60代スーさんが80代とサラリーマンものとしては明らかに無理が生じている国民的映画シリーズ。本作を観れば次回でファイナルが決まったのも納得であります。なんせ「釣りバカの2人の騒動」はもとより「ゲストキャストのエピソードに2人が絡んでいく」構成すら成り立たなくなり、西田敏行のその場その場のギャグの脇にゲストや釣りバカ側レギュラー陣が映ってるだけですから。いくら老齢でも掛け合いぐらい出来るだろうに三國連太郎は完全に戦力外扱いで、長年のレギュラーからは谷啓と加藤武が欠席。芸達者な面々が抜けた穴はゲスト・カップルの常盤貴子&山本太郎では到底埋まらずなのですが、そこは信頼と安心の老舗ブランドの底力で求められてる笑いはキープしてます。お約束もばっちり満載。

 ここ何作かの傾向に拍車がかかり、釣りバカ側・ゲスト側それぞれのストーリーは噛み合わず喰い足りずでキャラクター設定にも無理が生じてます。今回は「格差社会」と「コミュニケート不足」がテーマなんですが、前者は一流企業のグータラ社員という勝ち組側にハマちゃんが居る為に据わりが悪く、後者はハマちゃんにも営業三課にも無縁の事象。話のメインが胃カメラと社員旅行じゃ過剰なセキュリティの問題や電子メールの弊害は単発ネタにしかなりません。
 脚本のいい加減さはドラマ造りにもおよび、恒例の恋愛劇は派遣社員や御曹司の設定も無意味で然したる障害も山場もないまま済し崩しにゴールインの体たらく。ヒロインの兄・竹内力のエピソードが手抜き過ぎて人情ドラマにもなってません。そもそも派遣社員が社員旅行の幹事をやってるってどーなのか。まあ、万年ヒラ社員が定年も迎えず未だ「合体」やってる時点でナンセンスと言われればそれまでですが。
 結婚式のサプライズ・ゲストには一本獲られましたが、ネタは『釣りバカ』初期を手がけた栗山富夫監督の映画『祝辞』の流用。あれの原作は山田洋次なのでパクりではないけれど、パロディとして扱うにはアイデア不足に思えました。従来のハマちゃんならあそこからアドリブで巻き返しそうですし、スーさんだって何かフォローに動く筈だし。

 『釣りバカ』をバディ・ムービーとして捉えてる故にどうにも辛口評価になってしまいましたが、「結局、ハマちゃんは幸せな男」ってことを徹頭徹尾描いたのは好感。一時代を作った社会喜劇として「難しい事は抜きにしてとにかく楽しくハッピーに」という姿勢は正しいのでしょう。憧れのホバークラフトも登場するし一瞬フィーチャーされる佐伯の「ごまだしうどん」も気になったので個人的には大分観光アピールもちゃんと響いてきましたし。ただ、釣りシーンが妙に少ないのが難なのですが・・・。

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(2009/03/13)
西田敏行三國連太郎

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アイアンマン

 アメコミには珍しくメカメカしい装着変身タイプのヒーローが、いかにもアメリカンなライト感覚で悪と闘う愉快な作品。とにかく「アイアンマン」スーツの開発に男の子のロマンティシズムをビンビンに感じます。おまけにキャラ萌え映画で、主役は大金持ちで大酒飲みで女にモテモテで天才なだけじゃなく手先も器用。オールマイティの実力・自分本位の正義・揺るがないポリシーというスーパーヒーローの条件を兼ね揃えてグッド。しかも、弱点は潔く剥き出しと来てます。

 ヒーローものとしては結構出来の悪い映画だと思いますよ。プロトタイプ完成までは豪腕力押しの連続だし、アイアンマン誕生後はお約束に忠実な展開だし、クライマックスの盛り上がりもいまひとつだし。けど、やたらと丁寧な開発推移描写の魅力はそれらを補って余りあります。特に飛行技術の試行錯誤が秀逸。大人の工作の至福の味わいを愉しみ、ギミックたっぷりのスーツ装着シーンに燃え、空中を自由自在に駆け巡るスピード感に酔いしれるのです。そして最後はBlack Sabbath「IRON MAN」のリフに昇天。
 あと、ヒロインの秘書さんとのプラトニックな恋愛も素敵。『se7en』でブラピの奥さん役だったグウィネス・パルトロウが依然としてキュートで驚きました。ロバート・ダウニー・Jrも孤独でふてぶてしくてガキっぽいアイアンマンの屈折したヒーロー像を巧みに表現。やれば出来るけどダメな人ってのが当て書きのように嵌り、「主人公が何者なのか」を余すことなく伝えてくれてます。

 古い漫画の設定なんだからツッコミは控えたいのですが、大怪我&強制武器開発のくだりでベトナム戦争のゲリラをアフガン・テロリストに置き換え現代風アレンジをしたわりに、死にかけてる男への不自然極まりない要求には手つかずってのはどーなのか。それに社会経験の無い若造ならともかく、「死の商人」よろしく宣伝に現地視察にと励んできたおっさんが、あの程度の理由で転向するというのもなんだか微妙でした。もっといい加減で自分勝手な行動原理で突き進んでも良かった気がします。
 伏線の張り方がやたらに露骨なのもアメコミとはいえ手抜き過ぎで、少しはミスリードしたり捻って欲しかったです。本気の戦闘能力は次回作にオアズケってのもご無体であります。ビジュアルやアクションは満足度が高いんですけどねぇ。

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(2009/03/18)
ロバート・ダウニーJR.グウィネス・パルトロー

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うた魂♪

 流行りのマイナージャンル系青春スポ根コメディに見せかけた主演・夏帆のアイドル映画・・・なんだけど彼女の魅力を存分に伝えてるとは思えず、『タナカヒロシのすべて』の田中誠監督が得意とするシュール系ギャグも個人的にはキツかったです。一人の少女の成長ものとしはそこそこ盛り上がりますが、これも天才故に協調出来ない主人公が色々あって自分を見つめ直す超定番路線に過ぎません。でも尾崎豊と学ラン合唱隊のおかげで及第点はクリア。

 とにかく思いっきり入り方に失敗した印象が強いです。主人公が名門合唱部で独唱を任される程の逸材で地元で飛び抜けた美少女として認知されている事を速やかに理解させなきゃなのに、ファースト・シーンから妄想自己陶酔女では図抜けた歌唱力も美少女設定も自称にしか見えません。中身は自己中のナルシストで笑顔がアホ面というのが話の肝だってのはわかりますが、わざとメイクや演出で可愛さを封印してしまうのはアイドル映画として激しく間違ってます。おまけに主要部員はおろか普通は不細工を配置する意地悪娘の取り巻きとかまで高水準のルックスを取り揃えてちゃヒロインが超絶って言われてもねぇ・・・。
 中途半端なエピソードの連続も問題。憧れの生徒会長絡みの恋の鞘当てはまだいいとして、やる気のない女教師だとか脅えるバス運転手とか全然有効に機能してません。間寛平の不自然なギャグ、説明台詞を言わせる為だけに存在するともさかりえ、カメオ出演の癖に前に出過ぎのゴスペラーズも鼻につきます。

 しかし、ヤンキー合唱部との交流が始まる中盤以降はかなりの盛り返しを見せました。尾崎豊のソウルフルな歌詞と大衆向けのメロディにかなり助けられていますが「うた魂」の具現化に成功したのが大きく、三十路半ばで高校生を(回想では中学生も)演じたゴリの暑苦しさも素晴らしいです。薬師丸ひろ子が「OH MY LITTLE GIRL」を歌うのもなんだか得した気分。現代女子高生がエノケンを歌える点は疑問ですが喫茶店でのコーラスも悪くないです。前半のおバカ展開から急に真面目になるアンバランスはあるものの、夏帆も後半はどんどん可愛くなりますし、ベタな話も盛り上がりますし、歌絡みのシーンを手堅くまとめて凄くまっとうな青春映画になっております。映画としては失敗作だと思うけど結構楽しめてしまうのでした。

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(2008/09/12)
夏帆ゴリ

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ラスベガスをぶっつぶせ

 ブラックジャックは記憶力と判断力次第でプレーヤー優位に持ち込める数少ないカジノゲームとして知られ、古くから「カードカウンティング」という高等戦術が確立されています。この物語は1990年代にその方法でラスベガスのカジノを荒らしたMITの数学トップクラスの学生達の実話を元にしているそうです。
 戦術が発表された60年代とは違い、カード枚数増でカウントを困難にし不自然な賭金の動きや視線の慌ただしい客には早めのシャッフルで対応するなど、それなりの対策が講じられてた時代に彼らがどんな手口で攻略したかに興味津々だったのですが、チームの役割分担の効果や引き際など肝心のスリリングな駆け引き部分が語られず、どこにでもあるナーズ野郎青春モノとなっており拍子抜け。ちゅか、主人公が冷静で頭が良く判断力のある男という設定ではこのジャンルは成り立たない事がありあり。テンポが良いので始終退屈せずに観れるんですけどね。

 苦学生で偏った青春を送る冴えないオタクが秘めたる才能でセレブな生活とヒロインをゲットという話でも別に構わないですが、クライマックスは逆恨みで最終的にはマイナス成長に思える主人公にどうにも感情移入しがたく。燃え要素とコミカルな雰囲気がもっとあれば良かったんですが。恋も友情も上辺だけじゃドラマチックになりようもないし。
 観客がゲームの流れに一喜一憂する事ができないのも問題です。要するに未使用の山札の中にAと絵札が多目に残ってる卓が有利ってことなんですが、先ずそこが説明不足。で、仲間が大勝負のチャンスになったところで合図して主人公が短期決戦で稼ぐ戦法なんだと思うのですが、主人公の数学的天才頭脳が勝負をどう左右してるのかがさっぱりわかりません。騙し騙されのイカサマ勝負と違い「カウンティング」は種も仕掛けも無い統計的投資戦略ってのが足枷になってます。索敵・攪乱・警戒などサポート役との連携も曖昧で彼らの凄さが伝わらず、映画的には説明役の参謀が欲しかったところ。
 確たる証拠無しに怖い兄さんが出張ってくるのも根本的におかしいです。「カウンティングは違法じゃない」ってのが前提なのに、そこで「出入り禁止」以上の手をカジノ側が使えちゃ生体認証システムとか関係ないし頭脳集団に太刀打ち出来るわけもない。カジノ側との知恵比べに拘れなかった事で、折角のオチも効果半減なのでした。
 あと、日本なら通帳を眺めるところを、壺とかにも入れずに剥き身のキャッシュで保持とかアメリカらしくて笑いました。しかし、MITの天才君でも大学院の学費と生活費で30万ドル必要とかシビアな国ですな。

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(2008/10/22)
ジム・スタージェスケヴィン・スペイシー

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