「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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2010年私的映画ベスト

 今年も毎週更新で52本の感想をアップ。対象は08年11月~10年09月発売のDVDで内訳は洋画33本・邦画19本と昨年並みでした。しかし、劇場からは足が遠のき気味で年間7本というのは過去20年の最低水準の由々しき事態。『第9地区』のような如何にもマピールさん好みのゲテモノSFをDVDスルーしてる辺りに異常さが現れてます。原因は物凄く仕事が忙しくなったからなんで、不景気なご時世にあまり文句も言えないのですが。

 さて、表題の2010年私的映画ベストの選考ですが、年間13本、しかも半分はアリバイ作りみたいにここ2ヶ月にDVDで観た奴という状況なので選ぶのもおこがましいんですが毎年やってるから一応。ベスト3じゃ多いので1位だけ。

2010ベスト映画:『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』

 うん、『第9地区』は凄く好きだし『アバター』の技術は画期的だと思うけど『ハングオーバー』の怒濤の伏線回収の快感には敵いません。アメリカで大ヒットのコメディって大体肌に合わないんですがコレは爆笑できました。酔って記憶を失うタイプとしては恐い映画でもありましたが。
 ちなみに感想書いた52作で一番のお勧めは『愛のむきだし』です。次点が『レスラー』。

(劇場観賞作品)
アバター
シャッター アイランド
ザ・コーヴ
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
トイ・ストーリー3
インセプション
マチェーテ

(DVD観賞作品)
インビクタス/負けざる者たち
ハート・ロッカー
NINE
マイレージ、マイライフ
第9地区
アリス・イン・ワンダーランド

 そんなこんなで去年までは感想を遠慮した作品も含めると年間80本強は観賞してたんですが今年は60本程度が限界。つまり、普段なら外すようなどーでもいい映画も無理矢理コメントしてる状態で、正直このペースを維持するのは辛くなってきました。ペースを落とせばズルズルいくのは目に見えてるので店終いは近いかなと感じております。駄文書いてる暇にDVDの1本も観れるわけですし。
 そんな後ろ向きな姿勢で恐縮ですが、来年もよろしくお願いします。それでは皆さん良いお年を。
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インビクタス/負けざる者たち

 描かれるのは、国家反逆罪で27年間投獄され釈放後に南ア初の黒人大統領になったネルソン・マンデラと、直後に自国開催されたラグビーW杯で快進撃するナショナルチーム「スプリングボクス」の逸話。手堅く真っ当で感動的な秀作なのですが、クリント・イーストウッド監督作品に付きものの強烈なインパクトが無いので地味に感じました。不遇の半生を送り苦難の国家再建に挑む大統領とアパルトヘイトに対する制裁の影響で低迷するチームを纏め上げるキャプテンとを重ねた構成は巧いし、自ら映画化権を買い取り主演したモーガン・フリーマンの演技は迫真でマット・デイモンも当たり役「ジェイソン・ボーン」とは全く異なるラガーマン的肉体に改造して取り組んでるけど、うーん。

 イーストウッド監督という事で上がり過ぎたハードル以外には、弱小チームが這い上がって勝ち抜いていったかのように語られる違和感というのも評価を下げる原因。日本では145失点の悪夢で記憶されるあの大会は、NZオールブラックスと豪ワラビーズが2強を形成し、スプリングボクスは国際舞台からは遠ざかってはいるもののイングランドや仏と同等かそれ以上、つまり決勝進出も不思議じゃないレベルだった筈なんですよね。チームが強くなっていく過程が映画であまり描かれてないのは、劇的なエピソードがたいして存在せず技術向上や作戦による勝利だったからなのでは。
 なんせラグビーのルールなんて全く知らないであろう米国人向けなので、試合の駆け引きはおろかトライとドロップゴールの得点の違いすら殆ど触れてません。怪物ウィングのジョナ・ロムー対策が気合いと根性で済まされるのには失笑しました。一目でロムーとわかるキャスティングは素晴らしいのですが。

 そんなわけでラグビーチーム、特に多大な貢献をしたと推測される監督・コーチ陣には残念なのですが、この映画の面白いところはラグビー・エリートではなく、脇役の大統領SP陣・キャプテン宅の人々・教会でシャツ受け取らなかった少年など市井の人々で示される新しい南アの白人と黒人の共生なんですよね。
 そして、受刑時代のマンデラを敢えて深く語らないのが良いです。タイトルのインビクタスは不撓不屈という意味だそうで、それならば回想で獄中の受難とかに触れるのが常套なのですが、収容所を訪れたキャプテンが垣間見た幻影と一篇の詩だけでそこを表現してしまうのが凄い。劇伴の使い方も絶妙です。
 ところで最後のホルストの「木星」に歌詞が付いた曲「World In Union 95」。あれは毎回歌われてるラグビーワールドカップ公式テーマ曲に過ぎないのですが、この映画向けに作られたかのような詞で驚きました。あれで終わるのは卑怯だよなぁ。

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釣りバカ日誌20 ファイナル

 お疲れ様と言うほかない22年続いた国民的プログラムピクチャーの最終作。なにしろ、数少ないオリジナル・キャストで先頃急逝した谷啓が前作から出演してなかった理由が認知症の進行だったというのに、米寿に近づく三國連太郎を筆頭に奥方役の奈良岡朋子や専務の加藤武など谷さんより年嵩のレギュラーがゴロゴロいる状況です。西田敏行すら還暦を超えてるとなればサラリーマンものを続けるのは限界でしょう。勿論、みち子さんとの「合体」も。
 そんなこんなの22作目。最後だからと変に力まず、いつもと変わらぬ松竹印のベタな笑いと人情ドラマで幕というのは好感。頑張れるだけ頑張って貰ってもいいんじゃないかと思うぐらい三國さんもしっかり演技してくれてます。実際問題、後継候補『築地魚河岸三代目』のシリーズ化が頓挫してるわけで、しれっと復活するのもありかと思います。

 今回はサブの松坂慶子と吹石一恵の母子ドラマや鈴木建設や浜崎家のお約束ルーチンもスムーズにハマちゃんの釣りバカぶりがもたらす珍騒動と絡んでますし、なによりスーさんの出番が多くちゃんと主役してるのが嬉しいです。馬鹿馬鹿しい笑いも盛り沢山。マンネリズム万歳。
 冒頭でまたまたハマちゃんが釣り人脈の大型契約を決めてしまい、どう考えてもエース級の営業社員なのにグータラ扱いされるのに無理があるわけですが、不況下の鈴木建設のアレコレを投げっぱなしに舞台は地方ロケの北海道へ。相変わらず釣りのシーンが少なく、今回は絶滅危惧種のイトウの蘊蓄がちょっとあるだけなのが辛いですが、露骨に観光地を巡るでもなく釧路・根室など道東の雄大な大自然を見せてくれます。

 ここでどうにも疑問なのは松坂慶子の役作り。こんなに下手ではなかったはずなので演出だとは思うのですが台詞がほぼ棒読みです。それに始終料亭の女将とは思えない口調で話すのも奇妙。何が狙いなのか解りかねます。
 あと、終盤で流れを無視して突入する「賽の河原」シーンはやり過ぎ感が強く。ここをカットして松坂慶子の葛藤を掘り下げるなり、序盤の岸部一徳のエピを膨らませて重層的に描くなりしても良かったんじゃないかと。やるならやるで、いっそ三途の川の亡者を石田えりや戸川純や丹阿弥谷津子などの降板メンバーで揃えるぐらいして貰えれば納得できたんですが。まあ、どんな経緯を辿ろうとスーさんの演説に繋いじゃえばファイナルに相応しいフィナーレに持ち込めるのが強みですね。関係者の方々はいつまでも長生きして下さい。

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西田敏行、浅田美代子 他

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2010ヨコハマ映画祭ベストテン


・第32回ヨコハマ映画祭 日本映画ベスト10

 映画ファンの投票ながら的確な選定で知られるヨコハマ映画祭。部門賞では影も形もだった『告白』『悪人』が『十三人の刺客』と凌ぎを削っていて一安心。どうやら今年はこの3作品が賞レースをリードする形勢であります。

【ベストテン】
1位 『十三人の刺客』
2位 『告白』
3位 『悪人』
4位 『川の底からこんにちは』
5位 『今度は愛妻家』
6位 『必死剣鳥刺し』
7位 『孤高のメス』
8位 『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』
9位 『パーマネント野ばら』
10位 『時をかける少女』
次点 『春との旅』

2010 ヨコハマ映画祭 日本映画個人賞

・第32回ヨコハマ映画祭 日本映画個人賞

 ありゃ?ヨコハマ映画祭の個人賞には『悪人』の悪の字もないですね。代わって天下を取ってるのは『十三人の刺客』。スタッフ部門主要3冠を達成です。『今度は愛妻家』が俳優賞2冠。『川の底からこんにちは』は満島ひかりの結婚の引き金となった作品ですな。

【主要部門賞】
 作 品 賞 『十三人の刺客』
 監 督 賞 三池崇史  『十三人の刺客』『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』
 脚 本 賞 天願大介  『十三人の刺客』
 主演男優賞 豊川悦司  『今度は愛妻家』『必死剣鳥刺し』
 主演女優賞 満島ひかり 『川の底からこんにちは』『カケラ』
 助演男優賞 石橋蓮司  『今度は愛妻家』『パレード』等
 助演女優賞 夏川結衣  『孤高のメス』

NINE

 『シカゴ』のロブ・マーシャル監督が超豪華俳優陣を揃えて描くブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品。インスピレーションが沸かず脚本が一行も書けないままのクランクイン、取り巻く女達への強い欲望、愛想を尽かされつつある妻と空気を読めない愛人との板挟みな現実などに思い悩み、幻想に溺れていく女たらしの天才映画監督の話なんですが、ストーリーは無いに等しい「妄想ダンス集」でした。どう考えてもポールダンスとかラップダンスとかを好む客層向けでブロードウェイ・ミュージカルというイメージからは遠いです。元々は往年のイタリア映画界の巨匠フェデリコ・フェリーニの自伝的映画『8 1/2』が原作なのに。

 そんなわけで全体としてはかなり不細工な映画なんですが、女優陣のダンス・パートはゴージャス&グラマラスで目の保養としてはグレート。清楚な妻マリオン・コティヤール、エロエロな愛人ペネロペ・クルスがそれぞれに半裸でセクシーに踊り、他の女優達もミュージック・ビデオさながらの洗練された歌と踊りを披露。特にこの分野の本職ファーギー扮する砂浜の娼婦は圧巻でした。ケイト・ハドソンは殆ど意味のない役だけど楽曲的には一番の出来で儲けてます。出番は少ないけどニコール・キッドマンの胸がいつになく豊満だったのも印象的でした。

 問題は、フェリーニの実体験という背景を抜きにして、更に当時の前衛で難解なアート系要素も捨ててしまうと、残るのは殆ど起伏のない在り来たりの話にしかならないって事ですね。舞台版では成り立ってたのかも知れませんが、本作の場合は明らかに食い足りないので何か新味を加えて欲しかったところです。
 出ずっぱりのダニエル・デイ=ルイスはイタリア人には見えないけど見事な演技をみせ女優達も美しく妖艶に撮れてますし、原色主体の色彩とモノクロやダークブルーの画調を巧みに使い分けたり複雑な編集が為され、映像的には色々と凝ってるだけに本当に残念。

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(2010/09/09)
ダニエル・デイ=ルイス、マリオン・コティヤール 他

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アリス・イン・ワンダーランド

 鬼才ティム・バートン監督が描くディズニー・アニメ『ふしぎの国のアリス』の後日譚。冒険から13年後、それを夢だったと思いこんでる19歳アリスを主役に据えたオリジナル・ストーリーなんですが、件のアニメの内容はほぼ忘れていて、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』&『鏡の国のアリス』も挿絵眺めただけでちゃんと読んでない身にはなんだか色々と厳しい話でした。日本でも世界各国でも大ヒットしたわけだから原作を知り英語に堪能ならもっと楽しめるんだと思うのですが。あと、3Dで観て無いで言うのもなんですが、鮮やかな色彩が売りのバートン作品と色がくすむ3D眼鏡の相性は最悪な気がします。

 凝りに凝ってる映像は流石の出来ですが、もっとぐちゃぐちゃの世界観を予想してたので意外にあっさり目で残念。それに、バートン監督の趣味が炸裂すると普通の話でもワンダーランドになっちゃうわけですから、折角のナンセンスな世界感も予定調和にしかならないのです。監督の作風に先入観を持ってない方が純粋に楽しめるのかも。
 んで一番難儀なのは、奇抜なキャラを揃えながらストーリーが在り来たりの成長物語になってる点。ディズニーの意向なのか、かなり毒気が抜かれた勧善懲悪物語に小さく纏まっているのです。微妙に現実世界とリンクしてるようであまり意味を為してないし、意外な事も全然起こらないし、盛り上がって欲しいとこで盛り上がりません。異形の者への愛も感じられず物足りない事この上ないです。

 キャラクター映画としては、とにかくアリスが可愛くないのが辛いです。コンセプトが救世主として戦う強い女だとしても、従来のチャーミングなアリス像と両立して欲しかったところ。ジョニー・デップもいつも通りの怪演を見せてくれるのですが「いかれ帽子屋」にしては随分まともな人で周りのマッド過ぎるCGキャラに喰われる始末。ヘレナ・ボナム=カーターは流石の存在感だし、アン・ハサウェイの他人事のような態度も悪くないと思うのですが、どうも人間体が全体に精彩を欠いてる印象です。服を着たカエルさんの造形と表情豊かなチェシャ猫のラブリーさが救いなのでした。ぶっちゃけ、アリスなんか抜きで良いからCGキャラがメインで不思議の国の日常を描く作品が観たいです。

アリス・イン・ワンダーランド [DVD]アリス・イン・ワンダーランド [DVD]
(2010/08/04)
ジョニー・デップ、ミア・ワシコウスカ 他

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