「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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シャーロック・ホームズ

 従来の紳士的なイメージを覆す武闘派でだらしないホームズとバイプレイヤーの位置に留まらないイケメンのワトソンで贈るアクション・バディ・ムービー。ホームズが一方的にワトソン君大好きな点は違いますが、レイチェル・マクアダムス扮する盗賊ヒロインを加えた構図はルパン・次元・不二子にかなり被っております。けれど、オカルト色が強くトリック解明のカタルシスが殆ど無い脚本で全編に渡りかなり眠かったです。ロバート・ダウニー・Jr&ジュード・ロウのコミカルな掛け合いはそこそこ面白いのですが・・・。

 原因は幾つか考えられますが、一番の問題は冒険活劇をやろうというのに全然ドキドキ感やワクワク感が無い事でしょう。欠点を補い合ってなんぼの相棒モノなのにホームズもワトソンも無敵超人過ぎ。加えてホームズの頭脳明晰を強調するあまり欺し合いや大逆転といった要素が使えず盛り上がらず。別にミステリーやサスペンスをやる必要は無いんですが、事件そのものも興味をそそるに不十分で最後の種明かしも「ふ~ん」で済まされるレベルというのはあんまりです。
 そして、売りのアクションが中途半端。やってる事は鮮やかかも知れませんが、カット割りすぎで結局何が起きてるのかよく判りません。スローモーションにしてもフラッシュバックにしても多用し過ぎでテンポが悪くいちいち神経に障ります。時代がかったロンドンの雰囲気はカッコいいしメインキャラの作り込みも良いんだから、普通に演出してくれれば大外れはなかった筈なんですが・・・。

 文句ばかり言ってしまいましたが、原作の知識があれば大分違う印象を持つんじゃないかとも思います。最大の抽斗がロリエコジジイの犬アニメという当方では少々厳しかったと言うだけで。「多分原作ネタ」というシーンは其処彼処にあるのでシャーロキアンならニヤリとするのでしょうし、モヤッとした主張の敵役や全然驚けない古臭いトリックも作品の世界観に忠実と言われればそうかもしれないのです。

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(2010/07/21)
ロバート・ダウニー・Jr.、ジュード・ロウ 他

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しあわせの隠れ場所

 体格と運動能力には恵まれながら知能は低く生活環境はホームレス同然の普通なら大学進学など夢物語の黒人少年が奇特なセレブ白人家族に引き取られ、その温かい支えと本人の努力でアメフトのオフェンスタックルとして頭角を現しNCAA1部校に進学、後にNFLドラフト1巡目で指名される迄になるという本当にあった話の映画化。ただし、主役はサンドラ・ブロックが演じる白人の養母の方です。必要以上に美化されたお涙頂戴の偽善的な話なのかと思いきや、意外に淡々とドラマが進行し身分差や人種を越えた家族の絆の深さを映し出した「ちょっといい話」となっておりました。
 驚いたのはモデルとなった選手がボルティモア・レイヴンズに入団したのが2009年でありプロとしては未だルーキーってこと。半生を語るには早過ぎる気がします。また、映画化されるぐらいだからスーパースターなのかと思いきや、スーパーボウルやローズボウルには無縁のようだし伝説的なプレーとかも特に無いんですよね。映画冒頭の偉業は彼ではなく80年代に活躍した名選手のものだし。

 慈悲深く勝ち気でエネルギッシュな母親が不遇な少年に手を差し伸べその殻を強引に割っていくというド定番のアメリカ的美談が形成されてるわけですが、所謂不良少年の更生ドラマとはならない辺りが実話ならではの面白い所です。アメリカン・ドリームを実現したマイケル・オアー選手はその生い立ちを考えれば奇跡的といえるほどに品行方正で、実の親やスラムの仲間が彼のサクセスに立ちふさがることもなく、基礎学力不足だったりアメフトのルールやテクニックが旨く理解出来なかったり主に障害となるのはおつむの問題だったりでスポ根ドラマとしては脚本家泣かせです。無口ってのも困る設定の筈。クイントン・アーロンは困り顔でかなり印象深く演じていたけど地味なもんは地味ですから。
 そんなわけで養母の方にウェイトを置くのは必然で、美化や誇張はあるにしても気高く優しく美しくて懐が深い理想的アメリカの母にサンドラ・ブロックというのは見事に嵌ったと思います。脇役の補強も万全で特に小生意気な義弟の坊主が頑張ってくれてます。弟くん程儲け役じゃないけど整った顔立ちが印象的だった義妹に扮したのがフィル・コリンズの愛娘ってのもサプライズでした。エンドロールに出てくる実際の義妹もミス・キャンパス級の美女ですが。

 さて、このドラマ。アメフトの知識は全く無くても問題なしですが、アメリカの地域性や進学事情は知っておいた方が理解しやすいです。
 先ず、舞台となるメンフィスですがテネシー州最大の都市で、南北戦争前は奴隷市として栄えキング牧師が暗殺された地としても有名です。つまり人口の半数以上を占めるアフリカ系の多くは貧しく白人の殆どは共和党支持者でキリスト教原理主義で因習も残る典型的南部の土地といえます。そしてノックスビルにあるテネシー大より隣州だけど近所にあるミシシッピ大を贔屓にしてる模様です。
 んで、アメフトのエリートコースはプロ予備軍であるNCAAカレッジに認められスポーツ奨学生になることで、これは競技での実力のみならず通常の大学入学基準の学力も要求されます。まあ、脳みそ筋肉でもプロへの道は閉ざされないんですが、我が国の箱根駅伝みたいな特別なステイタスが其処にあるってことでしょうね。

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(2010/07/21)
サンドラ・ブロック、ティム・マッグロウ 他

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2010映画秘宝 ベスト&トホホ10

・映画秘宝オフィシャルサイト

 完全に時機を逸して紹介する「映画秘宝」3月号の「2010年度ベスト&トホホ10」。日本未公開の映画が混ざってるのが特徴のベストテンに今年は該当作ゼロの異変。ベストでハリウッド映画が過半数割れというのも珍しいです。ベストに1本、トホホに2本を上位に送り込んだSMAPの活躍も見逃せません。
 更に、ベスト・トホホとも読者ランキングとの乖離が顕著なのも特徴です。秘宝ベストの4~10位で読者ベストに選ばれたのは『エクスペンダブルズ』のみ。世間的にも大好評の『インセプション』に至っては読者トホホテンの方にランクされる始末です。

【秘宝ベストテン】
1位 『キック・アス』
2位 『第9地区』
3位 『十三人の刺客』
4位 『インセプション』
5位 『ぼくのエリ 200歳の少女』
6位 『息もできない』
7位 『トイ・ストーリー3』
8位 『ヒーローショー』
9位 『エクスペンダブルズ』
10位 『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』

【秘宝トホホテン】
1位 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』
2位 『アリス・イン・ワンダーランド』
3位 『座頭市 THE LAST』
4位 『パラノーマル・アクティビティ』
5位 『エアベンダー』
6位 『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』
7位 『BECK』
7位 『プレデターズ』
9位 『ラブリーボーン』
10位 『エルム街の悪夢』

【読者ベストテン】
1位 『エクスペンダブルズ』
2位 『第9地区』
3位 『キック・アス』
4位 『ハート・ロッカー』
5位 『十三人の刺客』
6位 『アイアンマン2』
7位 『アウトレイジ』
8位 『インビクタス/負けざる者たち』
9位 『マチューテ』
10位 『コララインとボタンの魔女 3D』

【読者トホホテン】
1位 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』
2位 『パラノーマル・アクティビティ』
3位 『インセプション』
4位 『エアベンダー』
5位 『借りぐらしのアリエッティ』
6位 『プレデターズ』
7位 『ソウ ザ・ファイナル 3D』
8位 『アバター』
9位 『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』
10位 『オーシャンズ』

きみがぼくを見つけた日

 本人の意志と無関係に突発的にタイムスリップする難儀な体質を持つ男に少女の頃から恋してた女の純愛ラブストーリーです。現在の彼とは初対面なのに未来の彼に何度も会っててすっかりお熱なヒロインとか、実は未来の彼氏の方も将来の伴侶と知っていて幼女の頃から彼女を惑わしていたり、邦題からは想像もつかないトンデモSF要素に加え設定の数々は異色ラブコメみたいですが、実際にはシリアスでダークなお話で面白かったです。
 過去は変わらず未来も分岐しないという時間モノとしては身も蓋もない世界観が採用され、過去も未来も行き来でき別の時代の自分とも接触可能なルールとなっております。ただし移動方法はターミネーター式を採用してる為、ご到着は全裸であります。

 脚本の出来自体は決して誉められたモノじゃないです。ラブロマンスにしちゃヒロインが恋に落ちるに足る決定的なエピソードがないし、オチにも捻りがないし、旦那とその父の問題は半端に放置され意味ありげだった博士も活躍しないなど色々と無駄も多いです。現在・過去・未来に加え回想まで入り交じる上に、現在に別の時代の亭主が来てるパターンもあるので混乱しやすいという問題もあります。でも、「鶏が先か卵が先か」の因果性をわざと何度も有耶無耶にして二人の出逢いにおいて循環する原因と結果の問題を豪快にぶん投げたり、「すこし不思議」の方のSFをわかってる人が書いてる感じが好印象でした。

 シチュエーションも面白いです。突然時空の彼方へ姿を消しいつ戻るか判らない夫を待つストレスで疲弊するヒロインも哀しいし、本来の時間軸では失踪癖持ちに見えトリップ先では不法侵入・窃盗の常習犯でおまけに露出魔と社会的にはダメダメな人生を送らざるを得ない夫には艱難辛苦が続々と襲いかかります。能力でロトを当てて暮らしに不自由はさせて無いとはいえ、苦労かけまくり寂しい思いをさせまくりの挙げ句に特異体質が嫁の躰に障る事象も発現するなど、純愛に障害が付きものとはいえあまりの鬼畜展開に絶句。マッチョな大男のエリック・バナが不憫な夫には見えないから救われてますが。
 そして、なんたってレイチェル・マクアダムスがキュート。超一途で非常にユニークでロマンチックなヒロイン像を見事に演じ、幸せな恋愛&夫婦生活から中盤以降の暗く切ない展開まで盛り上げまくっております。惜しむらくは物語の主導権を握れてないです。エンド・クレジットでエリック・バナの上に名前があるのを見て初めて彼女の方が主役だと判ったぐらい。

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(2010/03/10)
レイチェル・マクアダムス、エリック・バナ 他

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映画館大賞2011

・映画館大賞 2011

 独立系映画館スタッフの投票でスクリーンで観てほしい映画作品を選出する「映画館大賞」。大賞は主立った映画賞で『悪人』と凌ぎを削った『告白』であります。
 『告白』に罪はないですが、映画賞を席巻し興収も38億超のヒットとなった作品を「スクリーンで観てほしい映画」に選出するのは疑問。興収10億に満たなかった『息もできない』や劇場で観てこそ価値がある『アバター』の方がコンセプトに相応しいんじゃないでしょうか?

【ベストテン】
1位『告白』
2位『息もできない』
3位『アバター』
4位『トイ・ストーリー3』
5位『インセプション』
6位『悪人』
7位『第9地区』
8位『オーケストラ!』
9位『十三人の刺客』
10位『瞳の奥の秘密』

時をかける少女

 題名だけなら4度目の映画化という事になりますが、今回は原作とも2006アニメ版とも異なる原作ヒロインの娘を主人公にした次世代ものの続編となっております。主演はアニメでヒロインの声を担当した仲里依紗、いきものがかりが歌う挿入歌は1983年版で原田知世が歌った曲のカバー、舞台は2010年と1974年ですが「過去の事件」は1972年でこれは「NHK少年ドラマシリーズ」における『タイムトラベラー』の放送年、といった具合に随所で過去作をリスペクトしてます。それぞれの時代に金字塔を打ち立てた上記3作に比べてしまうとやはり見劣りしますが、オリジナル脚本の出来は最初と最後以外は思ったほど悪くはないです。ただ、「過去の事件」の内容を知らない観客への配慮は殆ど無く、その場合はトンデモが過ぎる映画にしか見えないでしょうが。

 最初の方で問題なのは時間跳躍に至る経緯。「過去の事件」の記憶を消されてしまった芳山クンがなんとなくタイム・リープの薬を完成させるのはいいです。蟻が何を念じ何処に消えたか、それをどうやって検証したかも不問にします。けれど、許し難いのは届かないこと前提の浅すぎるメッセージ。あれを中学生深町に伝えても女の執念に怖れを為し途方に暮れるばかりだと思います。あと、特に重体でもなさそうな母が「1972年に戻って・・・」とか言い出しただけで過去に跳ぶヒロインも腑に落ちないですし、1974年に間違えてしまう流れも不自然極まりないです。
 ツイストが無さ過ぎて逆に驚く大胆な終盤展開も強烈。『時かけ』の肝はプラトニックな切ない別れと深層での再会の予感だと思うのであれはNGだと思います。特に「過去を変えてはならない!」のくだりが酷いですね。アニメ版見た人なら容易に別の手段を思いつくでしょ?タイム・リープの薬が一つ残ってるんだから。足掻けよ、徒労に終わるにしても。

 そんなこんなで脚本の煮詰め不足は否めないし、誰にでも寄りまくるカメラも気になるし、設定で50代半ばのファースト世代が40代半ばでキャスティングされてる辺りも奇妙なんですが、過去編に入ると半端な脚本や稚拙な演出も70年代っぽさを醸す効果になりますし、相手役となる中尾明慶の貧乏大学生を筆頭にキャストのマッチングが俄然良くなるので安心して観られました。ムチムチボディ以外は今どきの女子高生らしい仲里依紗の天真爛漫キャラと純朴で夢見がちな70'Sの若者達との青春ドラマとしては概ね成功してると思います。
 時代のギャップを強調しすぎると『バブルへGO!!』に似すぎるし、若き母の恋に干渉すると『バック・トゥ・ザ・フューチャー』になっちゃうし、この辺は匙加減が難しいので深入りせず深町君の行方を凸凹探偵もので処理するという判断もグッド。「間違った時代に着いてしまった場合にどうやって使命を果たすか」という設問はかなり面白いだけに、もう少しミステリー寄りにして論理的帰結の末にあの方法に辿り着いて欲しかったのですが。

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(2010/10/13)
仲 里依紗、中尾明慶 他

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