「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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THE有頂天ホテル

 ホテルの中のみという限定空間と新年を迎えるまでのリアルタイム進行という時間的制限により完成した舞台では再現不可能な舞台劇。役者多数が出ずっぱりの群像劇を得意とする三谷幸喜ならではの小ネタ満載バックステージものコメディです。20人超の主要人物が入り乱れながらも各役者さんに見せ場があり、「自分に正直に生きる」というテーマにそれぞれの物語がきちんと整理されるのも見事で、当代随一の脚本家ならでは。映画的な演出はもうひとつですがね。

 三谷監督お得意の長回し多用も生瀬勝久・浅野和之・堀内敬子など脇にまわって映える実力派の役者さんが揃ってるので見応え充分でした。オダギリジョーの意外な使い方とか驚かされたというか初見ではオダギリだと気付かなかったです。YOUもどーでもいい役かと思いきや凄い儲け役でビックリ。でもMVPは絶妙のタイミングで自らバンダナを脱いだアヒルのダブダブですね。そして裏MVPは未公開シーンの主役・西田敏行。ノーカット版「天国生まれ」のシーン他、アドリブがいちいち凄すぎなのです。

 三谷監督も三作目にして舞台と映画の折り合いがついてきた感じですが、サービス精神旺盛すぎて後ろの方でも目立ち過ぎになってる点や、ワンシーンワンカットにこだわるあまり抜くべきショットが抜けてないシーンも散見し、まだまだ改善の余地ありです。スペシャル版の未公開シーン集を観ると画面の隅の方どころか見えてない所でもキャスト陣は演技しまくってるわけで、別ヴァージョンで1本作れそうな勢いで捨てカットが発生した模様。最初から同時に使えないのをわかってて複数の長回しシーンを一つに編集したりするから、熱演が殆んど使われずむごいことになってるキャストもいて可哀そうです。

 「観終わって直ぐ忘れるようなその場限りの笑い」と批判する人も居るけど、最近の三谷監督は意図してそういう笑いを追及してると思われます。自分の劇団で書いてた頃はハチャメチャな複数の事柄をひとつに収斂させて最後に西村雅彦が孤独感を漂わせながら捨て台詞吐いてほろりとさせて幕でしたが、最近は登場人物をそれぞれにちょっとだけ成長させながらもドラマチックじゃない位置に敢えて着地させてる。カタルシスが弱めなので肩透かしに感じる人も居るでしょうが、核のないストーリーで2時間超をつなぎ余韻もなくサッと終わって「いろいろあって面白かったな。」ぐらいにしか頭に残ってない映画なんて簡単に作れないですよ。三谷監督は間違いなくそれを狙ってやってます。

 いつも監督の語りが面白いんで期待してたんですが、今回のコメンタリーは聞き手がイマイチで盛り上がりに欠けました。スペシャル版のメイキングやインタヴューも過去2作のおまけに比べてパンチ力不足で若干割高感がありますね。ペーパークラフトがついてたり、クネクネダンスが観れたりもするんですが。

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役所広司 (2006/08/11)
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