「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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ハサミ男

 原作読了ってことで、相当厳しいであろう映像化のお手並みを拝見。これが意外になかなか。ストーリーはかなり原作の再現度が高く、そのままでは使えないメイン・トリックのアレンジも上々でした。ハードルの高さを考えれば大健闘といって良い出来です。
 ただし、それは原作既読の好意的な視点だから。予備知識無しに観る場合は厳しいですね、コレは。脚本は良いけど演出がいまひとつで、旨く捻り出した折角のアイデアが活かしきれてません。豊川悦司と麻生久美子が上手く演じてるにもかかわらずかなりヘボいです。これで観客を騙せるかはちと疑問。
 それに昔の土曜ワイド劇場か日活ロマンポルノを思わせる演出とカット。なのにお色気ショットが全然無いのは赦しがたい・・・間違えました、古臭い映像がこの話のテイストにマッチしてないのが大きなマイナスという話です。なんでこんな冗談みたいな映像にしちゃったんでしょ?
 ファースト・インプレッションが全てみたいな作品なんで、どちらかを先に選ぶなら原作を読むべきです。そして映画には原作読者が楽しめるようなサプライズは殆んど無いので特に観る必要は無いという結論に。でも、原作を知らない事にはこの映画の努力の痕跡に気付かない、と。報われないですねぇ。

 まあ、一応オリジナル要素のエピローグも付け加えてあるんですよ。ここで女子高生が出てきた辺りまではまあまあのアイデアだったと思うんですが、そこで止めておけば良いものをトヨエツが出てきてダラダラと喋るのがいけません。完全に蛇足。匂わす程度に画で語るべきモノなのに、わかりきったことをクドクドと台詞で説明しちゃうのはダメな日本映画の典型ですね。エピローグ以外も説明的な台詞が鼻につくシーンが多々あり興醒め。
 もうひとつ余計だったのが「靴跡」。慎重なハサミ男が靴跡に気が回らないってのもお粗末ですが、決定的過ぎる重要証拠を握らせておいて有耶無耶ってのはどうなのか。ソールが擦り減るほどのスニーカーが複数存在する説明もつきませんし。
 原作では緻密に設定されてた伏線を所々端折った為に警察の捜査に齟齬が生じてるのも問題で、綻びだらけのバカ推理になってます。もうちょっとデリケートに扱って欲しかったところです。

 色々と苦言を呈して来ましたが、元々のストーリーがしっかりしてるのと殺伐とした雰囲気がよく出てるおかげでそれなりに見応えありです。ハサミ男のサイコっぷりは存分に堪能できますし、声もいいです。麻生嬢も無表情だったり吐きまくったり頑張ってます。CG合成や脇役のショボさには目を瞑ってあげてください。もっと予算があって相性の良い監督が撮ればきっと傑作になっていた作品です。いや、これを映像化した監督はそれだけで凄いんですけど。

ハサミ男 ハサミ男
豊川悦司 (2005/11/25)
東宝

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