「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ダ・ヴィンチ・コード

 ありゃ、これは失敗ですねぇ。作品がではないですよ。作品はベストセラー小説の映像化としては期待外れではあるものの『デビルマン』のように大騒ぎするほどじゃありません。サスペンスとしては駄作だけどアドベンチャー映画としてはそれなりに楽しめる普通の小品です。で、何が失敗だったかと言うと、先に原作読んじゃったことなんですよ。この映画はミステリーとしては非常に珍しいパターンなのですが、予備知識無しで観賞してから更に原作にあたるのがベターな作品のようなのです。
 勿論、先に映像を見ると基本ストーリーやミステリー部分は色々ネタバレするわけですが、それは逃亡劇のスリルという物語の一面を先取りするに過ぎないのです。原作のストロング・ポイントはもっともらしいトンデモ理論と幾つもの意味を持つ暗号解読、あるいは登場人物たちの複雑な背景といったところです。この映画はその辺りの描写が思いっきり端折ってあって、だからこそ袋叩きにあってるんですが、結果的に鑑賞後でも原作の魅力のかなりの部分が残されたままになるのですよ。原作のガイドライン映像としてはなかなか優秀なのです。

 即ち、原作を既に読んでいる人、映画単品で楽しみたい人、宗教や秘密結社にアレルギーがある人、TV・雑誌等でダ・ヴィンチの謎ネタを知ってる人にとっては、あまり意味の無い作品です。酷評の嵐なのも肯ける幅の狭さですね。特に封切前に散々組まれたTV特番があまりにもネタバレ過ぎで「世界ふしぎ発見」的に映画を楽しむ機会すら奪った罪は大きいんじゃないかと。
 意味不明な部分が多すぎて原作未読な人にキツイことも確かなんですが上記に該当しない人なら結構楽しめます。問題はそれよりも圧倒的に多いであろう原作ファンが楽しむ要素は殆んど無いって事で。きちんと映像化されてるか確認する以外にやる事がありません。サプライズで台無しにされても困るけど、これはあまりにも忠実すぎるしあまりにも詰め込みすぎ。
 登場人物のウラを理解させる間もなく、絵画や建築を楽しむ暇も与えずにコロコロ変わる舞台。話を知っているが故に唖然とする説明不足の連続。とにかく冒頭の人体図風全裸死体からして何でこんな格好で死んでるのか不明(原作ではヒロイン宛のメッセージを意味する)。宗教の派閥争いも一切解説なし。地理的な説明が皆無なのも困りものです。クライマックスが無いのも辛いところだけど、これは原作も同じ。信仰の破壊とか異教徒にはよくわからないですから。

 役者はと言うと、薀蓄を垂れては悩みもせず謎を解き逃げ回る主人公のトム・ハンクスは得意とする感情表現を活かす場がなく、儲け役の悲しき狂信者ポール・ベタニーは見せ場の感動シーンがカットされる不遇、ジャン・レノ以下の豪華出演陣が熱演するほどに実は薄っぺらなストーリーが浮き彫りになり失笑を余儀なくされます。もっとB級っぽい役者でアクション要素や泣かせ要素をバカっぽく散りばめた方がマッチした印象です。それじゃ『ナショナル・トレジャー』ですが。

 兎に角、一番重要なのは映画を観ただけで挫折せずに興味が出たら原作もトライして欲しいって事です。謎の答えはそこにありますから。本が嫌いなら観ないでスルーしとくが吉。

ダ・ヴィンチ・コード デラックス・コレクターズ・エディション ダ・ヴィンチ・コード デラックス・コレクターズ・エディション
トム・ハンクス (2006/11/03)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

この商品の詳細を見る
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mappil.blog65.fc2.com/tb.php/111-aaebf827
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。