「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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サイレントヒル

 ゲームの映画化だそうですが原作はタイトルぐらいしか知りません。だから漠然としか分からないんですが、カメラアングルとか色合いとか非常にゲームっぽく再現してる印象です。場面転換や音でビビらすんじゃなくて心理的・生理的にじわりと攻め込んでくるところもゲームっぽい。映像が凄く作りこんでありゴーストタウンの雰囲気が素晴らしいです。住人も化け物もその世界に見事に嵌ってます。特に子役のキャラ作りが素敵。「もっと虐待して欲しかった」とか発言するのは危険ですが、悲惨な境遇で妖しさが絵になる少女なのでした。完成度の高い「ゲーム映画」なのは間違いないです。ただ、演出があまりにもゲームユーザーに寄り過ぎで、映画として感心しない作りなのは気になりました。

 閉鎖された町“サイレントヒル”に辿り着くまでの冒頭の展開からして強引なんですが、「消えた娘を捜す」というミッションが始まると不可解現象も化け物襲撃も速攻で順応する猪突猛進ママに違和感バリバリ。妙に薄着で胸元ばかり気になるヒロインは娘の影を追って一心不乱に怪奇の街を駆け巡ってはヒント回収というRPGの流れを何度も繰り返します。否応なく進まざるを得ないゲームなら当たり前の作業ですが、そのまんま映像にしちゃうとまわりくどくて単調でバカっぽい。設定も脳内リプレイで補完出来ない立場の者としては説明不足に映りました。
 加えて、アクション要素が殆んど無い。原作が「倒す」より「避ける」ゲームなのかも知れないですが、主人公が全然ピンチにならないからテンションが上がりません。被害者が配置されてない前半は特に見せ場が無いです。折角、化け物の造形はいい感じなのに殆んど存在意義が無い演出で残念。全然、怖く無いんだもんなぁ。
 後半はバイオレンス描写も増え映像美に凄みを増して行くのですが、反比例してストーリーはつまらなくなっていきます。意味なく大量に湧く住民達。効果的とは言い難い別働の父親の扱い。謎解きっぽく誘導しておいて練れてない真相をボスキャラが一気に語る芸のなさ。しかも恐らくは嘘が混じり矛盾だらけのボスキャラの説明。有耶無耶のまま消化不良気味のオチ。
 特に致命的なのは、ゲーム形式に拘っていながらストーリーに条件分岐がまるで無いところです。映画だから結果的に一本道になるのは当然ですが、「もし、あそこでこう動けば?」と考えたときに同じ結末にしか至らないのですよ。「サイレントヒルに行かない」という選択以外ではね。クソゲーですよ、それじゃ。「これはマルチ・エンディングのひとつの答えだ」と匂わせてくれれば、色々想像で埋めれるのに。

 個人的には「ホラーだと思ったらダークファンタジーだった」ってのがしょんぼりだし、「30分モノの『トワイライト・ゾーン』の方が遥かに洗練されてた。」という愚痴も出ますが、実はそれほど駄目な評価ではありません。なんやかやで雰囲気は充分に楽しめました。兎に角、原作のリスペクトに溢れてるのが伝わってくるし、たぶんゲームファンの満足度は高い作品でしょう。もっと若い頃ならたぶんゲームにトライしてます。それぐらいのパワーはある作品です。

 ちなみに本作で一番怖かったのはDVDのチャプター画面の磔少女なのでした。

サイレントヒル サイレントヒル
ラダ・ミッチェル (2006/11/22)
ポニーキャニオン

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