「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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サウンド・オブ・サンダー

 これ、予告編見た時に凄い面白そうだったんですよね。時間の波が迫ってくるシーンとか超大作っぽくて、“過去から持ち帰ってしまった1.3gの何か”とか謎を煽ってて。しかも、原作はオールドSFファンの崇めるレイ・ブラッドベリのショートショートで、マピールさん大好物のタイム・トラベルもの。もう劇場に足を運ぶしかないって状況なワケですが、酷評しか聞こえてこないし近年は駄作量産体制のピーター・ハイアムズ監督だしと逡巡してる間にさっさと公開終了となったのでした。

 さて念願の再会となりました感想は「・・・よく、これ公開に踏み切ったな。」と。未公開作品コーナーから1週間レンタルするに相応しい掛け値なしのB級SF映画ですよ。「70年代はこんな映像だったなぁ。」と観る側をタイム・スリップさせる圧倒的なまでの貧乏臭いヴィジュアルに驚かされます。背景は殆んど書割で通行人まで絵の部分があったりする凄まじい未来都市。乗り物はプラレール風で人物もきっちり浮き上がる芸術的にチープな合成。でもデザイナーは『トロン』『ブレードランナー』あるいはヒゲのガンダムで知られる巨匠シド・ミードなのですよ。だから一層古臭いってのもあるんですが。
 ストップモーション撮影を彷彿とさせるぎこちない動きの恐竜も見所です。今時のゲーム・ムービーの方が絶対クオリティが高いです。

 しかし、B級と割り切ってしまえばこれは極上クラスですよ。低予算を逆手にとって安っぽいCGにマッチするようにわざと古臭い演出を採用してるのがグッドです。人類存亡の危機に凄い小さい世界観で行き当たりばったりに事に当たる感情移入しにくい人物描写の地味なキャストたち。襲い掛かる珍妙なクリーチャー。ダレることなくスピーディーに進むストーリー。エンターテインメント的には結構ツボを押さえててパニック・アドヴェンチャーとしては楽しめます。過去をいじって変わってしまった未来を修復するために駆け回る物語は、意外性の欠片も無いお約束の展開と満載されたツッコミどころで退屈しません。もう、パーティー編成の時点で殺られる順番まで予想がつきますからね。
 特に素敵なのが時間ものに付き物のパラドックスの処理。この映画では、毎回同じ時間にタイムスリップして直ぐ死ぬ運命にある恐竜をハントし、過去をいじらず残さず持ち出さず速やかに帰還する恐竜狩りツアーが行われてるワケです。ドラえもんで慣らされた日本のキッズなら直ぐ気付くと思いますが、そんな事したら同じ時間にのび太君が一杯なわけですよ。でも、そこにはちゃーんとパラレルワールドでツアーは鉢合わせしないってルールをブラッドベリは設定してくれてるんですね。んで、原作は世界が変わってしまったところで幕なんですが、映画には狂った未来を修復するというエピソードが付け加えてある。だから、過去に戻って事件を未然に防がなきゃならない。つまり異時間同位体のバッティングを許容しないとダメなわけで矛盾が生じるんですよ。さて、それをどう処理したのかというと・・・。さすがアメ公、「細かいことは気にしない」という潔い態度であっさりクリア。他にも原作設定を無視して破綻してる箇所多数。マニアの逆鱗をものともせずに漢っぷりを貫きます。

 だけど、この映画の最大の笑いどころは、誰が見ても低予算作品にしか見えないのに実は製作費100億円の超大作って事ですね。撮影はトラブル続き、途中でプロダクションは倒産、何度も製作は止まり、力技で完成するもお蔵入りし、数年を経た挙句に投売り。映画本編以上に苦難を乗り越えて公開に漕ぎ着け、でもやっぱり大赤字のバッド・エンド。乾いた笑いで済ますしかないやるせないコンボですねぇ・・・(ため息)。

サウンド・オブ・サンダー デラックス版 サウンド・オブ・サンダー デラックス版
エドワード・バーンズ (2006/07/21)
ジェネオン エンタテインメント

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