「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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300<スリーハンドレッド>

 歴史スペクタクルを想像していましたが、これは漫画チックな誇張の数々を愉しむエンタテイメント作品、ぶっちゃけてしまえばバカ映画ですね。序盤が変に真面目に造ってあるもんだから一瞬騙されました。よく考えたら国民皆兵の重装歩兵で知られるスパルタ軍がマンホールの蓋持った半裸のガチムチ集団って時点で時代考証もクソも無いわけで。裸マントのマッチョ戦士がガッツでがっつんがっつんのバトル自体が目的の人向け。

 とにかくスパルタ兵の出鱈目な強さが見所です。恥ずかしいぐらいストレートでヴァリエーションの無い戦法に暑苦しい魂の台詞群。これは古代ギリシア版『男塾』ですよ。それもメインの達人集団じゃなくて男気と根性だけが頼りの一般塾生達が男塾名物の連係プレイで屠るという構図。率いる王様は男塾塾長・江田島平八まんまの威圧感。惜しむらくは「知っているのか雷電!?」パターンで解説する人材がいません。
 対するペルシア軍は過剰に異形集団。巨大すぎるサイとゾウ・怪力巨人・仮面の忍者軍団・爆裂魔道士と、どうみても『ベルセルク』かなにかの世界です。ビックリ人間大集合。しかも偉大なペルシア王はよりによってアクセサリーじゃらじゃらの妖艶なオカマですよ。イラン人が怒るのも当然の造形です。
 これを観て「決死の特攻の意義」とか「滅びを美学の危険性」とか「愛国心を鼓舞」とか「民主主義vs蛮族」を云々する感性をマピールさんは持ち合わせてないです。男塾をモチーフに思想や政治を語るような痛い真似はできません。気楽に楽しめば良しです。

 ストーリーが殆んど無いに等しい本作の肝はアクション・シーン。見慣れないファランクス隊形からの計算され尽くした連携、あまりグロくはないけれど容赦なく腕や首が飛び交う豪快な斬撃、美しい筋肉と高度な殺陣を観客にきっちり示すスローモーションの多用。ごちゃごちゃしてるだけに成りがちな大軍の乱戦をスッキリとまとめ、悲壮感の欠片もない勇壮な戦士達を見事に描きます。それを病的なまでの絵画的な色彩により壮大な絵巻物っぽい雰囲気にしたCG処理も素晴らしいです。
 一方、戦場ばかりで飽きが来ないように挟まれたスパルタ王妃の男前なドラマは緊張感が途切れるだけであまり旨くありません。これなら脇役戦士のドラマを混ぜた方が良かったんじゃないかと。いや、デルポイの神託の巫女さんと共に乳首露出で頑張ったレナ・ヘディには申し訳ないんですが。まあ、そのベッド・シーンにしても『オペラ座の怪人』からは想像もつかないジェラルド・バトラーの肉体美に完全に喰われてるんですけどね。

 この映画では戦争の背景や結末が詳しくは示されないのでちょっと調べてみると、ヘロドトスの『歴史』に記述されるテルモピュライの戦いが元ネタ。一応、神話じゃなくて正史に分類されるようです。100万vs300人は誇張にしてもカルネイア祭によって300人しか出兵できなかったスパルタ軍が無茶な徹底抗戦を敢行したって部分は史実通りなんですな。
 尚、ペルシア戦争全体の流れはこんな感じ。ラスト・シーンは奇跡的勝利となるプラタイアの戦いってことですな。この間にアテネとかは陥落してますがスパルタ本土は一貫して無事のようです。

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(2007/09/26)
ジェラルド・バトラー.レナ・ヘディー .デイビッド・ウェナム.ドミニク・ウェスト.ビンセント・リーガン

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