「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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墨攻

 日本のコミックを中国と香港に加え韓国の俳優を出演させて実写映画化したという触れ込みの歴史スペクタクル。大国の前に蹂躙されようとする小国に現れた防衛請負集団「墨家」の男が10万の敵に篭城戦を挑む話です。そもそもは『後宮小説』の酒見賢一による小説ですか。読んでないや。

 結論から言うとこの映画微妙でして、良作ではあるものの本来はこんなものじゃないはずだという思いが強いです。体を張った人間同士の戦いは力強く美術も演技も満足いく内容なのですが人間ドラマが薄っぺらい。前半の知略に富んだ攻城戦に胸を躍らせてると謀略やら悲恋物語やら色々な要素が詰め込まれて冗長になっていくのがいけません。期待していたのは少が多を圧倒する痛快な描写なのにモロボシ・ダンばりに理想と現実の狭間で戦う事に苦悩し女に惑わされる主人公。ストイックでプロフェッショナルな仕事ぶりだったのが、無駄だらけで中途半端な凄さの矮小な人物に堕ちていくのが虚しいです。
 何が駄目なのかと言うと、民衆から信頼を得ていく過程がさっくり省かれている点でしょう。ヒーローの魅力を描かないと敵将も映えないし王の疑心暗鬼も説得力を持ちません。それにどう考えてもヒロインが邪魔。男ばかりのむさ苦しさを和らげる効果よりメッセージが薄れるマイナスが勝ってますよ。

 この物語の舞台は春秋戦国時代の中国ですが、お話はほぼ創作のようです。でも戦国七雄「魏」が覇者の座から滑り落ちて「梁」と呼ばれたのも、この時代に思想集団「墨家」が勢力を増していたのも史実です。まあ、マピールさんは思想となると「墨家」どころか「孔子」や「老荘」でも苦手です。覇権争いの流れなら横山光輝の漫画とか宮城谷昌光の小説とかのおかげである程度理解してますが。
 その「墨家」の思想の肝が「非攻・兼愛」でして、映画のテーマにじっくり絡んでくるわけですが、中華の世界では基礎知識なのかあまり詳しく説明されずちょっと戸惑いました。専守防衛で平等主義で軍事組織を持ち頼まれれば防衛に赴く助っ人なんて復興支援の自衛隊みたいな集団が紀元前に存在したなんて俄かには信じ難いし。反撃の自由度は比べるべくもないですが。

墨攻墨攻
(2007/07/27)
アンディ・ラウ、アン・ソンギ 他

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