「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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マスター・アンド・コマンダー

 配給会社の宣伝があまりにも酷かったせいで、本来取り込むべきドンパチ好きの男性層じゃなく悲劇と感動を求める女性客が劇場に足を運ぶ結果となった不遇の作品。
 あの予告編は出来が良すぎでした。幼い少年達が艦長を信じて愛する家族の下に帰る日を夢見て戦うみたいな宣伝。予告だけで泣いちゃいそう。「母さん僕達は何故戦うのでしょうか?」・・・こんなシーンは一切ありません。何故戦うって、ナポレオンを王と呼びたくないから戦争してるのは劇中で明確に示されてますよ。「イギリス軍はその兵力を補うために、幼い少年達までも戦場に送らざるをえなかった。」・・・これも大嘘。この時代の12歳頃って充分に大人だし、この艦に搭乗してる少年ってのは貴族のエリートの士官候補生です。動員じゃなくて志願なのは普通に映画見てりゃ解る筈。大人もたくさん配属されてるし。そもそも根本的な問題は、この子供達は主役じゃないって事なんだけどさ。
 ハイ、この映画、主役は歴戦の勇者であるスーパーな艦長、相手役はその親友の医者です。そんなのあの予告じゃ判んないですけどね。船医ってのは軍事面には口出せないけど船上生活の面では時に艦長にすら命令を出せる権限を持つんで、トップダウンの命令系統から唯一外れてるんですよ。この医者が観客の視点になっていて軍人達の戦いを観る構造になっているワケで、何でこんな重要なキャラを無視するかね。

 そんな訳で泣きに行った観客に極めて不評な映画なのですが、骨太な本格的海洋ロマンとしては見事な出来栄えで、帆船時代のイギリスVSフランスのド迫力海戦、観ていて酔いそうな嵐の海、ガラパゴス諸島の美しい映像など見所はたっぷり。当時の軍艦の様子、戦い方、乗員達の行動などがきっちり描かれてて面白いです。仕官や海兵隊は貴族でいいモン喰って音楽を奏で、兵卒は捕鯨船員とさほど変わらない格好で船底で寝起きしてるとか、爆発で自沈する恐れがあるんで破裂砲弾は使わず主に船材を破壊することを目的に砲撃するとか、興味深い映像が目白押しでした。素晴らしい。
 もう一度言います。この作品は戦争映画です。そこには愛も感動も冒険も美女もありません。少年達の悲劇に泣きたい人や娯楽要素満載な海賊映画が観たい人はNGです。ハードで暑苦しい帆船生活や百戦錬磨の船乗りたちの人間模様を楽しみ、シビアな海戦に熱く燃えられる親爺だけ観ればよろしい。

マスター・アンド・コマンダー マスター・アンド・コマンダー
ラッセル・クロウ (2004/07/23)
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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