「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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ディパーテッド

 巨匠マーティン・スコセッシ監督による、香港映画の傑作『インファナル・アフェア』のハリウッド・リメイク。しかし、マフィアに潜入した警官と警察に潜伏するマフィアの対決というプロットから主要なストーリーの流れまで同じなのに、作り手でこんなに変わるのかと思わせるほどに別ヴァージョンになっております。
 オリジナルは善と悪の狭間で苦悩するスパイの悲壮感溢れるヒューマン・ドラマだったわけですが、本作はソリッドでバイオレンス色の強い潜入サスペンスに仕上げられスコセッシ流ギャング映画に完全にカスタマイズ化。オリジナルに在った哀愁が微塵も残っていない上に終盤はブラック・コメディみたいなんですが、いかにもアメリカなスタイルでこれはこれで趣があると感じました。だけど、数々の名作で戴冠を逃し続けたスコセッシ監督が遂に制したアカデミー作品賞&監督賞作品という金看板を背負うに足るとは到底思えず。

 基本的にギャング映画という奴は独特のポリシーや因縁を上手く理解できない部分が多いので苦手です。まして本作はアメリカ特有の人種・地域ネタや市警・州警・FBIの複雑な対立が絡んでくるので背景がややこし過ぎてお手上げ。義理と人情のヤクザ映画のように感情移入できる登場人物も見当たりませんし。でも、オリジナルの感動的な要素をバッサリ切った代わりに加わったものを眺めながら、アジアンとアメリカンの好みの違いを浮き彫りにするという視点で結構楽しめました。

 売り物の豪華キャストは味のある役者揃いなんですがバランスは非常に悪いと言わざるを得ません。先ず、ボス役ジャック・ニコルソンが不必要に前に出過ぎ。しかも渋くダンディなファミリーのドンというイメージには程遠く、下品でクレイジーな殺し屋オヤジにしか見えません。その怪演ぶりは面白いんですがキャラが強烈過ぎて主役二人のインパクトがめちゃ弱に。事実上独りで敵味方構わず引っ掻き回しており、真面目に情報戦をやってる主役達が馬鹿みたいです。一方、警察側上司は逆にカリスマ性が薄すぎます。片方は怒鳴ってるだけだし。
 そして主役。覆面捜査官レオナルド・ディカプリオは新境地といえる演技で不安や焦りを巧く演じてるのですがマフィアとしてのポジションが下っ端にしか見えず、逆の立場のマット・デイモンの方はそもそも見た目が善人っぽくない上にあからさまに倫理観が薄めで小物臭が漂う役柄。そういう狙いの演出なんだとしてもこの二人にチンピラ役はミスマッチだと思います。
 あと、女医さん絡みの描写が邪魔臭いだけになってるのも不満。やたらと男臭い映画なんだからヒロインには一服の清涼剤を期待したいのに、主役二人に同時に愛されるにしちゃ妙に地味。こういう役は淑女と娼婦の魅力を併せ持つようなパワーがないと駄目ですよ。濡れ場も癒しって感じじゃなくて只の尻軽っぽいし。

ディパーテッド (期間限定版)ディパーテッド (期間限定版)
(2007/06/08)
レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン 他

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