「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アヒルと鴨のコインロッカー

 一回きりのサプライズが肝の作品なので、やはりそれを味わうのは原作小説が相応しいと考えますが、この映画は原作の雰囲気を壊さないようにかなり頑張ったと思います。最大の注目点は「文章では許されてもそれをそのまま映像でやっちゃうのは反則」という制約をどう処理するかなのですが、それはごくストレートなインチキをやらかしていて拍子抜けでした。しかし、思い切ってぎりぎり反則負けにならないタイミングに種明かしを持ってくる事で上手くバランスをとった事には感心しました。その結果、さらりとした語り口はそのままに、若干現実離れした立位置から時にコミカルに時に陰惨に最後は切なく悲しい青春物語を見事に再現。原作が大ネタのインパクトだけに頼った作品じゃないから成立した手段ではありますが。

 しかしながら、雰囲気を維持してるとはいえ終盤は端々で微妙に設定変更されており、それが結構癇に障るのも事実です。元々が初対面の隣人と本屋に広辞苑を奪いに行くような突拍子も無い話ではありますが、原作ではちゃんと筋を通してリアリティを保っていたものをわざわざぶち壊す謎演出。例えば、ペット殺しの男の「慌ててて気付かなかった&自分は使い走り」という主張が成り立たない映像になってる意図が理解できません。遺された二人の一年半が伝わるようなカットが無いのも不可思議。あと、主人公の片割れたるヒロインを単なる脇役に落とした弊害で説明不足になってる辺りも一工夫欲しかったです。ただ、コインロッカーの場面の改変は癒しになってて良い感じでした。

 細かい不満はあるものの、それを補って余りあるのがキャスティングの妙でして、原作イメージを損なわない的確な役作りで揃い踏みです。特異で複雑なキャラクターを巧みに演じ観客を魅了した瑛太と、のほほんとした雰囲気を保ちアウトサイダーとして絶妙の距離感で浮いて見せた濱田岳のコンビは見事でした。表情を変化させない大塚寧々が最後に見せる笑顔も印象的。関めぐみと松田龍平は重要な役割をきっちり演じてるわりに存在感が薄くなってしまいちょっと損な役回りでしたね。
 あと、たぶん原作読者のメインはボブ・ディランに無縁な若い女性でしょうから、劇中で「神の声」と称される不思議な声を想像するのは難しい。その点においては、ちゃんとディランの歌声が流れる映画に分があるかと思います。

 ところで、こないだブータン王国初の総選挙があった為そのニュース映像を何度か見かけたわけですが、極端に日本人顔の人って確かに混ざってましたね。英語を普通に喋ってるのも確認できました。確かに英語ではアヒルも鴨も両方Duckなんですが、特に区別してないってのが本当ならやっぱりかなり大らかな国民性のような気がします。似ている筈の我々はアヒルと鴨の交配種も合鴨として明確に別けてるのに。

アヒルと鴨のコインロッカーアヒルと鴨のコインロッカー
(2008/01/25)
濱田岳、瑛太 他

商品詳細を見る
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mappil.blog65.fc2.com/tb.php/221-d23d56c8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。