「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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ブラッド・ダイヤモンド

 内戦下の西アフリカで巨大ダイヤをめぐり見ず知らずの3人が同床異夢で結びつき、次々と襲い掛かる危機を切り抜けお宝に到達という定番のアドベンチャー映画であります。しかし、容易くハリウッドお得意の秘境探検ロマンスに突入できる所を敢えて踏み止まり、搾取と貧困と暴力の「This is アフリカ」を塗して娯楽性と社会派メッセージとのバランスを上手くとっっており啓蒙映画なのに説教臭くない点がグレート。アフリカに影を落とす諸問題が解り易く提示され勉強になります。

 舞台は首都攻防の大戦闘があった1999年のシエラレオネ。ドラマ部分はフィクションですが背景にある反政府軍(RUF)の悪行三昧は事実に基づくようです。ダイヤモンド鉱山占領・強制労働による採掘・支援国リベリアへの密輸・売却益による武器調達と負の連鎖を繰り返し、民間人への虐殺や手足切断の横行、子供を拉致し少年兵や性奴隷に仕立て、麻薬漬けに後先考えない破壊に大量難民とやってる事が出鱈目過ぎて俄には信じ難いですけど。また、政府軍側に南アの民間軍事会社が絡んでたのも事実で、報酬がこれまたダイヤモンドの採掘権だったり反政府側にも武器を流してた疑惑もあり。劇中でヒロインが追いかけてる非合法ダイヤの流通事情や欧米企業の思惑なんかも概ねその通りみたい。

 そんな訳でテーマは重く内戦描写はそれなりにハードで知的好奇心もくすぐられますが、メインのドラマ自体は前述の通りエンタメ色が強いバディムービー。ディカプリオ演じる主人公は元傭兵の屈折した密輸商人で、内戦の巻き添えで離散した家族を探す真面目な父親役のジャイモン・フンスーが相棒役、そしてキスシーンすら無いので出が薄いものの強気で正義なジャーナリストのヒロインがジェニファー・コネリー。キャスティングは文句無しです。特にアフリカに絶望していたディカプリオの最後の台詞にグッときました。

 ただ展開はかなりご都合主義で、ダイヤの隠し方や採掘場のセキュリティは単純すぎるし、少年兵のイベント処理は強引、最後の方は駆け足気味になり更に蛇足感も強いです。アフリカの抱える問題が多すぎる事もあり、いささか長すぎる物語でありながら掘り下げ不足の単発ネタが多いのも残念。それでも、戦後のシエラレオネの「平和になった」では済まされない惨状とか、RUFの戦犯が殆んど無罪放免になった事とか色々スルーして圧縮してるんですが。

 「ダイヤなんて欲しがるな」と言うのにはこの映画はとても便利なのですが、石油やレアメタルでも同じ事は起きてるしコーヒーやカカオだって血塗られてる可能性は高く、途上国の犠牲の上で潤う先進国の住人としてはげんなり。結局、資源オンリーの経済状況と近代化の遅れを解消するために資本を入れるという答えになるんですが、それを戦争に使っちゃう歴史が四半世紀以上続いてるわけだし。民度の低さもどげんかせんといかんでしょう。全く頭が痛いです。
 ところで、劇中で手足を切り落とす風習を生み出したのはベルギーとの指摘があるのですが、これはコンゴで天然ゴム採集ノルマ未達の作業者の手を切断した19世紀後半のエピソードです。シエラレオネはベルギーに植民された事は無く、イギリス統治下で黒人奴隷の輸出基地として長い間好き放題されたのでした。

ブラッド・ダイヤモンド (期間限定版)ブラッド・ダイヤモンド (期間限定版)
(2007/09/07)
レオナルド・ディカプリオ. ジャイモン・フンスー. ジェニファー・コネリー. カギソ・クイパーズ. アーノルド・ボスロー

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