シリーズを2作目から担当してきたダーレン・リン・バウズマン監督は心理サスペンス派の非難を他所にスラッシャー描写をエスカレートさせる方向に突き進んでおり、詳細に見せる必要の全く無い解剖シーンや凝った殺人ギミックをたっぷりと用意。でも、インパクト重視の状況設定ばかりでパズルの正答に頭を捻るような面白みは失われています。
本作はジグソウ・ビキニング的な、おじさんが何故こんな手の込んだ事をやってるのかを延々と説明する趣向でして、「自分で自分を救わなければならない」という主張がなかなかのヒューマンドラマで語られます。まあ、不幸な過去や立派な哲学を並べてもやってる事はアレなんですが。
んで、前作での謎のいくつかには解答が示されましたが、未回収な伏線もわんさか増えあまりスッキリとはいきません。実は1本丸々使った壮大な予告編ですからね、今回は。
色々とダメな点があるんですが、バウズマン監督作で一貫して問題なのはプレイヤー達の頭が悪くてどうにイライラすることですね。特に今回は「迂闊な奴」という設定なので対処法がどんなに間抜けでもエクスキューズが成り立ってしまいます。また、謎が謎を呼び次回に繋げる技術には優れてるんですが、複雑で緻密なゲームを仕込んだ結果、展開が偶然に頼りすぎる傾向にあるのも困りもの。今回も途中で失敗したらシナリオが台無しになるようなゲームに挑ませちゃってます。知的な論理パズルとシンプルなシチュエーションでファンの心を鷲掴みにした1作目と真逆なんですよねぇ。
あと、今回は観客の混乱狙いの編集が露骨すぎて萎え。スモークやフラッシュでよく見えない中で披露される手品なんて何の価値もないです。全て見ていたつもりがいつの間にか騙されているってのがシリーズの醍醐味だったのに。
とはいえ、後乗せサクサクで辻褄合わせに奔走するスタッフには頭が下がりますね。「医者がチームにいる」という疑念に対し根強く噂される1作目のあの人以外の可能性を提示したり芸が細かい。豚が干支(日本だと猪)由来だったなんてのも絶対後付でしょう。
DVDチェックの結果、ジグソウの死から解剖までの期間が長過ぎるなど妙な点も発見されましたし、なんやかや言っても最後まで付き合う所存。次回こそはプレイヤーに覚悟を要求するタイプの絶望感溢れる謎解きを願いつつ。
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