「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

しゃべれども しゃべれども

 連ドラとかであまり見かけない気がするTOKIOの国分太一が主演でありながら妙に評判が良い本作。なるほど、意外な佳作であります。コミュニケーションが不器用な人達と江戸落語を絡め綺麗に纏めた成長もので、前座よりちょい上で行き詰ってる若い噺家がひょんな事から素人に落語指南と相成って・・・という筋立て。粗は色々あるものの、「しゃべる事と伝える事」というメイン・テーマがしっかり描かれ、東京・下町の風情溢れじんわり心温まる古き良き日本映画に手堅く仕上がっています。

 話し方教室を開くハメになったのは、古典一本槍でいつも着流しと落語愛の塊だけど無個性で真打昇進には程遠い男。3人の生徒は、容姿は良いが会話が苦手で無愛想な女、口達者だけどプライドが高くクラスに馴染めない少年、見る目は確かなのに口下手な野球解説者とキャラ配置が極端で面白いです。ただ、松重豊扮する解説者のエピソードが中途半端なのがちょっと惜しく、ここをしっかりやれてないので恋愛物語と成長物語のバランスが崩れラストが取って付けた様な大団円に。恋愛要素は原作小説の通りなのかも知れませんが、そこまでテンポ良く淡々と進む日常を描いて来ただけにサラッと匂わす程度で終わって欲しかった所です。
 脚本がアニメ『時をかける少女』の奥寺佐渡子という事で、小気味良い会話と台詞や独白に頼らない繊細な心理描写は健在。『まんじゅうこわい』と『火焔太鼓』という演目をダイジェストで観客に伝え、かつ、それを登場人物たちの成長に活用していく構成も上手いです。それと、特に劇的な事件も泣かせ所も無い中で必死になにかを伝えようとするもどかしさが際立っているのが印象深かったです。

 そして、絶妙なキャスティング。国分太一のよく通る声と雰囲気作りはジャニーズ系とあなどれない出来。空回りしてる感じが上手いというか、あれはスポーツ番組のキャスターやってる時の太一君ですね。右手で本来の利き手よりも綺麗に蕎麦を手繰ってたのも印象的でした。で、終盤には編集の妙と済ますには見事な落語も披露。客寄せパンダではなく、しっかり主役はってます。ヒロインの香里奈って娘は『海猿』で見かけたぐらいしか知らないんですが、殆んど全篇で睨みっ放しという美形の女優が請けにくい仕事をよく頑張ってくれました。
 本作では本職の落語家が脇を固めるのではなく役者さんに挑戦してもらってるのがミソで、噺家というよりボードビリアン的な伊東四朗や、下町のババアではなく山の手のお婆様的な八千草薫の芸達者振りが楽しいです。特に子役の森永悠希がみせる故・桂枝雀師匠の口調を真似た上方落語が素晴らしい。設定の都合で話し下手な人ばかりの中、要所要所を締める自然な演技も光ってました。

しゃべれども しゃべれども 特別版 (初回限定生産2枚組)しゃべれども しゃべれども 特別版 (初回限定生産2枚組)
(2007/11/09)
国分太一.香里奈.森永悠希.松重豊.八千草薫.伊東四朗

商品詳細を見る
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mappil.blog65.fc2.com/tb.php/231-6ac1b6e4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。