「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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クワイエットルームにようこそ

 精神病院の女子閉鎖病棟に強制収容された主人公が常軌を逸した患者たちとの交流の中で自分を見つめ直すお話。原作・監督・脚本が松尾スズキなのでキャラクターの妙を前面に押し出したシュール&ブラック・コメディに仕上がっております。表題の「クワイエットルーム」とは、自傷行為防止のために隔離する保護室の劇中での通称。
 メインの蒼井優・大竹しのぶ・宮藤官九郎・妻夫木聡からチョイ役の庵野秀明などに至るまで異様に豪華なキャストが目に付きますが、90年代アイドル女優・内田有紀の本格復帰作であるためか群像劇というより内田有紀映画に寄っています。

 薄々気付いていた事ですが、“松尾スズキの笑い”というものが個人的にダメなようで、物語としては楽しんで観ましたがコメディとしては愉しめなかったです。テンポ良く繰り出されるギャグが殆んどツボに来ません。全体にスラップスティックとしてのたたみかけが弱い。おかげで邪魔にもならないんですが。
 それにこの映画が「普通の筈のヒロインが、実は・・・」という物語だってわかってなくて端からメンヘラ女という認識で観てしまったのも拙かったです。どうも松尾スズキの考える普通の人と此方の感覚がズレているようで、マトモであるべきと考える役どころのキャラが悉く奇人なのであります。メリハリ無しの変人オンパレードではカオス過ぎる。それにセリフだらけで語りが過ぎるという印象も否めません。

 ただ、基本的に縁はないけど他人事で済ませられない世界が題材なので、笑いの相性が悪くても話は充分に興味深いのでした。シリアスな心理ドラマとして捉えてしまうと詰めが甘く、再生の物語になりきれてないもどかしさは残るのですが、病棟内のサブキャラたちの造形が秀逸なので飽きは来ません。
 最強は貫禄の演技で見事に神経を逆撫でする大竹しのぶですが、狂人との境目を上手く演じた看護婦役の平岩紙、天才肌の異常者を小動物のようにリアルに演じた高橋真唯も素晴らしい。拒食症患者・蒼井優のゾッとする諦観ぶりも凄く、実際に痩せた姿が痛々しいです。芸能人って画面で見るよりも生で見ると更に細いですからたぶん強烈にガリガリですよ。ただ、意外と見せ場が少なく中村優子ばかりが儲けているのが不満でした。そして、不安定な演技力が功を奏したのか主役の内田有紀も意外に奮闘しておりいい感じに壊れてます。それに比べると男優陣が軒並み中途半端ですな。役柄的に妻夫木聡がもう少し殻を破ってくれればバランスがとれたと思うのですが。

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(2008/03/19)
りょう内田有紀

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