「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ワルボロ

 80年頃の東京・立川市を舞台にしたヤンキー中学生抗争映画。原作は「バカ」系ライターのゲッツ板谷による自伝的小説のようですが漫画的デフォルメはかなり強烈です。何を隠そうマピールさんはほぼ同世代人であり、隣町の有名不良中に一般生徒として生息していた為、当時の地域事情はそれなりに把握しております。ツッパリの造形はあんなもんですが、街はあそこまでブロンクス化しておりません。歓楽街中心にワルやクズも多いですが機動隊や自衛隊など公権力の眼も厳しい土地ですからね、立川は。

 「腐ったミカン」の『金八先生』が高視聴率を獲得し『横浜銀蝿』がヒットを飛ばすツッパリがトレンドだったあの頃、確かに我が母校でも不良のカテゴリーに含まれる男子が全校で120人強はいたと思います。ただ、普段は映画のように少数でつるんで遊んでたし、近隣との抗争とかでも戦力として動員できた武闘派は2割がいいところで、族やOBが絡まなければ大集団にはならなかったかと。ただ、劇中の「立川抗争図」は校名を変えてる割には現実の配置や背景と酷似しており、各校の力関係もほぼ変わりません。・・・もうちょっと配慮しろよ。
 一般生徒からも恐れられるほど朝鮮中が異常に好戦的だったのも事実です。無知ゆえに「バカでもチョンでも」と言ったり、珍しさで「チマチョゴリ」を指差したりするたびに被害者が発生してましたから。それが理不尽な暴力にしか映らない為に男気だしたツッパリ達が介入して事態が悪化するのが常でして。しばしば映画じゃやれない酷い惨状に。今ほど民族問題の認知が進んでなかったですからねぇ。

 誰も中学生に見えないのはお約束なので置いといて、映画は殆んど喧嘩ばかりでドラマ的内容が無いに等しく、ガリ勉からの転向だとかヤクザの世界に引き入れようとする叔父だとかの設定も活かされず退屈でした。ド定番の家族の問題やら色恋沙汰まで中途半端なままフェードアウトするに至っては、不良界隈以外は扱わない方がマシに思えました。松田翔太×新垣結衣、ゲストに仲村トオルというキャスティングから考えて、一般人にもうける『ビー・バップ・ハイスクール』的なヤンキー青春ものを狙った筈なんですからベタベタな友情物語と喧嘩アクションで押すべきでしたよ。
 ゴチャゴチャと大人数が動き回るだけのアクションは迫力不足だし、友情と義理人情の青春賛歌としては熱さに欠け、コメディとしてもパンチが無くて、成長ものとしては人物の内面描写が貧弱。地元民としては「懐かしい」という一点で楽しめますが、それ以外にこれといってストロング・ポイントが見当たりません。

 特に主人公の憧れの少女が不良世界のあれこれに一切関わってこない脚本なのが問題です。目玉の筈の新垣結衣がほぼ端役扱いで出番のわりに印象が薄いです。物騒な世界観のわりにエロ方面は物凄く健全でレイプもなければ図書室で盛るとかもありません。不良デビューものの基本である「ヘタレだけど女絡みでやせ我慢」という構図が最初しか成立せず、ヒロインの心情は最後まで謎のままです。
 松田翔太もオーソドックスに演じてはいますが、あまり悶々としているようには見えずギラギラとした危うさもありません。そもそも、あのルックスで非モテというのが無理。アクションでは父・松田優作の目つきを垣間見せたのですが全体に平凡でした。これは他の不良たちにも言える事で演出がつまらないって事ですね。大きな外しはないからこの手のVシネとか好きな人ならそこそこ楽しめるとは思いますが。

ワルボロ [DVD]ワルボロ [DVD]
(2008/03/21)
松田翔太新垣結衣

商品詳細を見る
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mappil.blog65.fc2.com/tb.php/278-d1e0bafb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。