「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

 当初は未公開作品としてDVDスルーされそうだったけど署名運動で日本公開を勝ち取り、宣伝予算の不足はネットを中心にボランティアの尽力で補った、良識的映画ファンの「面白い映画がちゃんと公開されてヒットする」という願いを結集した作品です。
 オフィシャルがB級コメディ風の副題をつけ「究極のおバカ映画」というフレーズで宣伝したためそのイメージが先行してますが、実はコミカルな要素もあるポリス・アクションと言った方が正確です。アメリカ映画的ドタバタ・コメディや下ネタを目当てに観賞するとシニカルで神経質でグダグダなブリティッシュ・スタイルに振り落とされる可能性が大。また、中盤には強烈スプラッターな殺人シーンもわんさか登場し、マニアックな映画オマージュも頻繁で、「お蔵入り」の危機に晒されるだけの取っ付き難さがあるのは否定できません。しかし、食わず嫌いで見逃すのは勿体無い作品です。

 マピールさんは警官モノって左程詳しくなくて、「ここパロディかな?」と思うシーンは多々あれど元ネタがはっきり判るのはジョン・ウーの2丁拳銃横っ飛びぐらい。劇中で言及されてる『バッドボーイズ2バッド』や『ハートブルー』も観てませんし。まあ、ホラーや怪獣映画のパロディーもあるから理解度はもう少しアップしますがね。でも、ネタ元なんか知らなくても格好良いアクションに酔いしれる事が可能なので特に問題はありませんでした。銃撃戦やらカーチェイスやら盛り沢山でお話は熱くて泣ける典型的なバディ・ムービー。しかも脚本がよく練られてます。それにロック好きにはたまらない選曲センス。笑いの要素が多少減衰しようが充分に楽しめる一級娯楽作品なのであります。
 基本的にはサスペンスの骨格で作られており、丹念に伏線が張られ、それが真面目すぎるほど綺麗に回収されます。アイデアの密度が半端無い上に細かいギャグまでもが計算されて緻密に敷設されており、在り来りのオチなのに手数で面白くしてしまうテクニックに拍手喝采。とにかく馬鹿馬鹿しくなり過ぎない絶妙の匙加減でいい感じに荒唐無稽なのが素晴らしいです。作り手の映画愛がダイレクトに伝わってきて感動しました。

 ただし、殺人が起るまでの序盤は落ち着きすぎていて退屈。いや、イギリス特有のまったりな笑いに適応できる人はここも愉しめるんでしょうが普通の日本人の感性では厳しいと言えましょう。実は重要な情報が随所に散りばめられてるので、ここを欠伸を堪えながら眺めるのは避けたいところなんですが。残念ながら吹替えも故・広川太一郎さんのような奇跡的な仕上がりとは言えず笑いの助けにはなりません。もっとも、後半の展開を考えるとぶっ飛んだ話芸で誤魔化すわけにもいかないんですけどね。
 それと、キャラ多すぎ。田舎町に移動後の登場人物に殆んど捨てキャラ無しなので覚えるのが大変です。一方でヒロイン不在は寂しくもあり。ハリウッド映画みたいにいちいち恋に落ちる必要は無いですけど華がないのは辛いです。一応、ケイト・ブランシェットが出演してはいるんですが、まったく気づかない登場の仕方なんですよね。
 あと、セル版DVDの絵コンテ付き特典のせいで字幕ずれが酷いという問題が発生したのは残念。手抜きとしか思えないアホな仕様で本編がちゃんと観れないとかありえませんよ。特に本作は情報量が多くて繰り返し観たくなる映画なのに。

ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~ [DVD]ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~ [DVD]
(2008/12/04)
サイモン・ペッグニック・フロスト

商品詳細を見る
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mappil.blog65.fc2.com/tb.php/285-02d6f188
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。