「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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ダークナイト

 さんざん語り尽くされており今更な感想ではありますが、アメコミ・ヒーローものに興味が無く『スーパーマン』が復活しようと『スパイダーマン』が好評を博そうとスルーしてきたし、前作含め『バットマン』映画も殆ど観て無い人間が、全米での破竹の勢いとか評論家の絶賛とか関係無しに予告編のジョーカーの演技だけで一目惚れして劇場に足を運んだ事実には言及しておきたいです。ここまでの求心力に遭遇した経験はありません。
 そして、予想通りエキセントリックで非常識な怪人が大活躍。的確かつ冷静に正義の泣き所に悪意を注ぐ無敵の存在として君臨です。とにかく登場シーン全てが見せ場というジョーカーによるジョーカーのための映画。過剰なまでの存在感を振りまくヒース・レジャーが素晴らしい。その強烈なキャラクターが浮いてしまわないような世界観を構築し、クライム・サスペンスの大傑作に仕立て上げた監督の手腕も見事であります。
 ただ、賞賛ほどに完璧な映画ではなく欠点は山ほどあるのに凄さが勝るタイプの作品なので要注意。特に派手なヒーロー・アクションと爽快なストーリーの典型アメコミ路線を求める観客には全く食い合わせが悪いといえます。

 なんたって、主人公が始終けちょんけちょんにされ続けデーモン軍団ばかりが輝き過ぎてる漫画版『デビルマン』みたいな話ですから。しかも、終わってみれば童話『泣いた赤鬼』の青鬼ポジションにバットマンがいるという、ヒーローものの主人公あるまじき扱いです。元々、アメコミヒーローとしては格別シリアスを基調とするバットマンですが、本作はあまりに暗くカタストロフにはほど遠いのであります。
 それに本作はリアリズム重視な世界観。趣味でやってる正義の味方は法の枠では犯罪者に分類され、よく考えると盗んだ鯨肉を証拠に盗みを告発する某団体みたいな存在なのでした。更に銃を使わず殺人御法度の俺ルールで犬にも手こずる戦闘力。私生活の馬鹿馬鹿しい金持ちぶりも含め物凄く格好悪く描かれます。挙げ句にマスクで顔が出ない役となれば演じるクリスチャン・ベールも浮かばれませんね。でも、皮肉なことに実にバットマンの神髄と思える物語なのです。

 それは人々のモラルに挑戦する予測不能なサイコパスが、正義という概念を破壊し善と悪の境界線を曖昧にしていく極上のヒューマン・ドラマ。これを「バットマンVSジョーカー」という単純な図式ではなくアーロン・エッカート扮する正義の検事を積極的に絡めてディープなテーマをより明確にし、切ないラブ・ストーリーとの相乗効果で苦悩のヒーローを際立たせたのには驚きました。加えて悪に翻弄される一般市民たちにもドラマが用意されてます。これだけの内容なら映画2本撮れそうだけど敢えて2時間半に詰め込み、延々と事件を発生させ続け緊張感を弛めずに最後まで突っ走った力業が圧巻です。余計なのは香港パートぐらいだけど、アレをカットすると本当にバットマンが悲惨なだけになりますしねぇ。何が起こってるのかわからないアクションが多い中、香港の夜空を黒マントをはためかせ飛ぶバットマンの勇姿は印象的でしたから。

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(2008/12/10)
クリスチャン・ベールマイケル・ケイン

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