「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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人のセックスを笑うな

 蒼井優を目当てに鑑賞。主演は永作博美&松山ケンイチということでもっと商業的な作品を想定していましたが、予告編の印象と全然違いストーリーより映像や演出を楽しむタイプのアートな作品で面食らいました。
 キャスティングでわかるとおり「セックス」が表題でも大胆な濡れ場とかあるわけもなく、主に脱がされるのは松山ケンイチだったり。「L」「クラウザーさん」「銭ゲバ」など極端なメイクの役が多い彼が普通の学生を演じた途端にパンツ一丁というのがちょっと可笑しかったです。
 原作は芥川賞候補にもなった小説だそうですが鑑賞後の印象は「レディコミ」。まあ、作者も監督も女性ですしね。個人的に芥川賞は地雷率が高いという認識でして、加えて女目線も苦手とくれば相性は最悪の筈なんですが、これが意外といけました。トータルでは退屈なんだけど、あまり観たことがないテイストの不思議な映画でした。

 とにかく画角を固定しての長回しが多用されていて全然カメラが寄らないのが印象的。カップルがいちゃいちゃしてるのを傍観しているような距離感で撮影されていて、構図はピタリと決まり観客の視線誘導などの演出も的確。カップルの日常の姿を切り出すという点では秀逸で、妙に生々しく観てて居心地が悪いことこの上ないです。
 ただ、テクニカルすぎる映画手法が鼻につくのも事実。流石に有って無いようなストーリーで140分もそんなのが繰り返されれば飽きます。反復の手法が多いこともあり自ずと画面は単調ですし。
 尺が伸びた原因は冗長な編集に尽きます。確かに長回しの緊張感やアドリブが効果的に活かされ見事に空間を撮っているシーンはあるものの、それ以上にカットすべきどうでもいい長回しが多すぎてメリハリがつきません。ひときわ人物の動向に注視させる演出なんだから意味なくシーンを引っ張って観客に緊張を強いたら疲れ果ててしまいますよ。

 繋ぎが問題とはいえ、個々のシーンはキャストのイメージビデオに使えそうな出来で熱演が光ってました。特に主役の永作博美は若者をメロメロにするに説得力十分の魅力。ただ、大人の色気とは違うなんだかふわふわしたキュートさを醸し出していて、「禁断の交際に惹きこむ奔放な20歳年上の女性」の従来像とはちょっと違うかも。あのルックスだと「かなりの年齢差」というブレーキは働かず多くの男が躊躇無くアクセル・ゴーな気がします。
 一方、松山ケンイチが現代の普通の若者を演じるのを観るのはこれが初めてなのですが、役柄にマッチした自然な演技をみせていて感心しました。ホスト崩れみたいなイケメン男優が幅を利かす昨今では貴重といえましょう。
 そして期待通りの蒼井優。独特な透明感も遺憾なく発揮されており、後半は主役カップルを喰う存在感を見せております。ベッドのシーン(ベッド・シーンに非ず)の身のこなしとか最後の照れるシーンとかぞくぞくしました。全編で色々な種類の気まずさを体現するのが凄かったです。

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