「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

告発のとき

 流行りの「いったいこの国はどうしちまったんだ!?」映画。イラクからの帰還直後に陸軍から失踪した息子の行方を探す父親を通じて、兵士のPTSD問題や現代アメリカの苦悩を鋭く描くヒューマン・ドラマです。監督は04年の長編映画デビュー以来アカデミー賞常連という驚異の社会派脚本家ポール・ハギス。実際に起こった事件を基にしてるそうですが、軍警察出身の父親を探偵役に据えたミステリ仕立てとなっておりエンターテイメント性も高い良作であります。
 ただメインはあくまでイラク戦争を教訓とする厭戦映画なのでミステリにあまり期待しすぎると拍子抜けします。『父親たちの星条旗』の延長線上というか、わかりやすい『ノ-カントリー』というか、“人を戦争に送った人達”に突きつける“信じた正義の無力感”の物語。重いテーマを静かに淡々と紡ぎつつ話にグイグイと引き込み見事な収束を見せるハギス節健在で余韻はいつも通りビターです。

 登場人物達が感じている事が映画のメッセージに直結するだけにキャストの力量が問われるわけですが流石の実力派揃い。先ず誠実かつ善良で軍の規律を信じる白人保守層にピタリと嵌る主演のトミー・リー・ジョーンズが非常に良いです。捜査での切れ者ぶりは格好良く、真相に辿り着いた姿は痛々しく心情を思うと泣けます。相棒役シャーリーズ・セロンも女性蔑視に悩まされるシングルマザーの刑事という落ち着いた強い女性を好演。鼻絆創膏をして凛々しい女優というのはなかなかいません。出は少ないけどスーザン・サランドンの存在感も素晴らしい。

 問題はセンスのない邦題ですよね。『告発のゆくえ』とゴッチャになるし、なにか物凄い陰謀でもあるのかとミスリードしてます。そういう映画じゃないのに。劇中でちゃんと説明されるのだから原題の『エラの谷』で問題なかったというか、この少年ダビデと巨人ゴリアテの寓話に潜む疑問が物語の核なのだからタイトルから外すのはありえんと思うのですが・・・。

告発のとき [DVD]告発のとき [DVD]
(2009/01/07)
トミー・リー・ジョーンズシャーリーズ・セロン

商品詳細を見る
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mappil.blog65.fc2.com/tb.php/311-fce15e21
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。