「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

 全共闘世代ウケかと思いきや意外と各方面で高評価の本作、確かにこの種の歴史映画にしてはドラマが豊富で3時間超の長尺を飽きずに楽しめました。映画としての出来はそれほどのものとは言い難く、早足で不親切な展開や危うい演技も散見するし粛正の描写もぬるま湯ですが、先鋭化した活動家達の様子や時代背景が濃密度に盛り込まれております。後の世代としては思想がどうにも理解しにくいですが、大事件のあらましを学ぶには都合が良い作品です。

 明確に分けてはいませんが実質3部構成でして、連合赤軍結成までの流れを実録モノでまとめた第1部、山岳ベース事件の顛末を描く第2部、内部視点であさま山荘事件を綴る第3部となっております。
 加速度的に盛り上がるのはサスペンスタッチで生々しい狂気に染まるリンチ事件の第2部で、とにかく並木愛枝が扮した永田洋子の存在感に脱帽です。坂井真紀も理不尽な批判と凄惨な暴力に晒される女性を頑張って演じてるんですがこれは勝負にならない。もう一人の指導者・森恒夫の救いがたい責任転嫁ぶりも霞む見事な鬼畜ぶりでした。
 第2部が強烈すぎて蛇足っぽくなったし美化されたきらいもあるものの第3部もそれなりに面白い。けど、淡々と流れる第1部はとっつきにくいです。ビッグネームの重信房子や赤軍創設者の関西人などテロップ付きの主な人物、特に男性陣の殆どは捨てキャラで真に着目すべきがいきなり敵前逃亡する男なんて事は予備知識無しにはわかりません。何故、指導部が一網打尽となり、或いは海外に分派していくのか、彼らが何を目指していたのかも駆け足過ぎて謎ですし。学生運動の物凄い逮捕数とか、デモや籠城程度じゃ済まない過激な事件、必ずしも反戦ではない思想などにはあらためて驚きましたが。

 腑に落ちないのは、これだけ永田洋子がフィーチャーされており山荘事件の主メンバーも革命左派出身なのに語られる歴史は赤軍派ばかりってとこ。一連の事件のバックボーンは赤軍派の思想ではなく毛沢東思想のアナーキーな全体主義のようだし、連合赤軍の結成以前から革命左派は一線を越えてます。なのに、永田がこの集団で頭角を現す過程や夫の坂口弘との馴れ初めなどが省略されてるのは何故なんでしょう。

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]
(2009/02/27)
坂井真紀ARATA

商品詳細を見る
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mappil.blog65.fc2.com/tb.php/321-fe3b51e4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」

監督:若松孝二(色んな意味で大御所です) 出演:坂井真紀 ARATA 並木愛(◎)枝地曵豪 伴杏里  出演:大西信満 中泉英雄 伊達建士 日下部千太郎 椋田涼  学生運動から派生した極左組織「連合赤軍」が何に突き動かされ、 あさま山荘事件へと至ってい?...

  • 2009/09/05(土) 18:00:02 |
  • おそらく見聞録

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。