「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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奈緒子

 駅伝が題材って事でヒロインと男子部員との恋や青春を描く王道スポーツものかと思ったら意外にそっち方面は中途半端。ストイックなスポ根ものってわけでも無いのにトーンが延々と灰色なのも想定外。なにより、実は三浦春馬と笑福亭鶴瓶の物語で主演の筈の上野樹里が殆ど“いらない子”扱いなのが予想外な作品でした。

 何故タイトルが『奈緒子』なのかは全くの謎。彼女抜きでも監督とチームメイトで十分に話が成り立ちます。とにかく、奈緒子の背負った罪やら豪腕にも程がある臨時マネージャー就任の経緯やらに時間を割いたにもかかわらず、奈緒子が見守り続ける事になる天才ランナー君との距離感は最後まで殆ど縮まらず駅伝部でも特に重要なポジションにいないのが問題です。おまけに上野樹里になまじ演技力があるもんだから『巨人の星』の明子姉ちゃん並に物陰がフィットしちゃうのです。助演女優であれば映画全体を落ち着いた雰囲気にさせるファインプレーものの演技ですが彼女を看板に撮ってる映画でこれは酷い。
 代わりに前面に押し出された鬼監督・笑福亭鶴瓶も災難です。暖かく大らかな人物でありながら豹変して生徒達を鍛える役柄は鶴瓶のキャラに合ってる筈なのにどうにも作品世界で浮いてしまってます。演技力の問題ではなく、打っても響かない部員達とフォローしないヒロインが原因。クライマックスの駅伝シーンでエースランナー・三浦春馬以外のメンバーは監督ではなくエースを拠り所にしてるんだから話になりません。奈緒子を想って走る奴がいないってのも凄いけど。

 終盤の駅伝はベタにスポ根構成だけど出来はなかなか。『恋空』とは大違いの三浦春馬のひたむきな熱演をはじめ、チームメイトやライバル校のランナーを努めた若手俳優陣が奮闘です。フォームや筋肉の付き方がちゃんとアスリートに見えるので、走っている場面だけならかなり水準は高いです。シーンの背景の壱岐や長崎の町並みもご当地映画臭くならずに調和していますし。
 惜しむらくは選手それぞれのドラマに尺が足りません。駅伝ってのは「個々の想いを一つに繋ぐ」というのをわかりやすく表現出来るスポーツですが、多くを駅伝中に語らせた為に躍動美の走る姿が台無しでした。レース中の表情や身体の動きだけで色々伝わってくるだけに説明過多が惜しい。大会に致るまでの選手達の内面をもう少し丁寧に扱って欲しかったです。身も蓋もないけど奈緒子に使った時間が無駄なのでした。
 それと転倒・エース頼み・オーバーペースなど補欠の子以外は最初の試合から殆ど成長してない展開なのも気になりました。給水も含め「過去の失敗を克服する」というスタンスが極力避けられてる意図がちょっとわかりかねます。

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