「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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イースタン・プロミス

 英国ロンドンにおけるロシアン・マフィアのヴァイオレンス映画。実はこの設定の社会的背景とか移民の置かれた状況がよくわからないわけですが、放射性物質でスパイを殺したり秘密警察出身の万能無敵怪人が指導者だったり何かと怖いロシアのイメージが猛威を振るい、なんとなくその禍々しさに納得させられてしまうのでした。日本のヤクザ映画の様式美にきつめの暴力描写が混在する感じで、えぐい人体破壊描写に耐性があれば物語自体はわかりやすく淡々とソリッドに紡がれる正統派の極道映画として楽しめると思います。けど、派手なドンパチは全く無いし、サスペンス的な意外性も無く、売りはヴィゴ・モーテンセンのフルチン格闘と最近のクローネンバーグ監督が醸し出してる粘着質な雰囲気。はっきり言って地味です。

 銃をまったく使わず全編が刃物と素手の暴力描写というのが本作の特徴で、鮮やかなナイフによる切り傷と適度な血量のおかげで残酷なハードコア・シーンが満載な割りにグロ度は少な目。美味そうなロシア料理が良いコントラストをもたらしております。肉弾戦そのものの「特出しの死闘」も圧巻の怖さだけど笑えちゃうわけで。「刺青者が風呂場で全裸格闘」と言えば日本のお家芸なので、股間の紳士がコンニチワしない計算されたカット割りに挑んで欲しかったところ。

 適材適所な俳優陣の奮闘は特筆もの。くわえタバコとアルマーニのスーツが印象的なヴィゴが垣間見せる悲哀と優しさ、偉大なボスのダメ息子ヴァンサン・カッセルのヘタレ加減とヴィゴに見せる甘えた表情が絶妙。いかにも裏表のありそうなマフィアの親分や善人側のヒロイン一家も素晴らしい熱演の二人を見事にサポート。ナオミ・ワッツは無鉄砲で幸薄そうなところが実に良いのですが、ヒロインとのドラマよりも男達のストイックな関係性の方が面白いんでちょっと損をしてますね。今回は得意のホラー演技の場面も少ないですし。

 そろそろクローネンバーグ監督にはサイコ・サスペンスとか撮って欲しいと思ってるのですが、本作のような殆ど無駄のない佳作を作られてしまうとオスカー獲るまではこの路線もやむなしって気がしてきます。と、思ったら3D版『ザ・フライ』のセルフ・リメイクに手を出してたりこの人は何処へ向かっているのやら。いや、あの変態的なB級臭さも捨てがたい魅力ですが。

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(2008/11/14)
ヴィゴ・モーテンセンナオミ・ワッツ

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