「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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重力ピエロ

 伊坂幸太郎という作家は文字で読む分はいいんですが、映像化の匙加減を間違うと即座に嘘臭さが蔓延する作風であります。本作がかなり健闘してるのは間違いありませんが、巧妙な心情描写で異色の人物達による回りくどい物語を構築している原作故にハードルは一段と高く、特に物語の落としどころの按配が重要な作品。雰囲気や仕上りは悪くないけどラストで原作未読の観客を納得させるには少々仕掛けが足りないのでした。

 敗因はアレンジがあまりに乱暴過ぎたこと。チョイ役に墜とされたストーカーの夏子さんがペラペラ真相を語るとか酷いし、父が謎解きに参加してないのに二人が何かやったことに気づいてたりするのも雑すぎます。遺伝子コードを暗号にする意味や放火の理由も弱いし、伏線も無しに最後になってサーカスのエピソードが出てくるのもいただけません。クライマックスで火を放ったのも明らかにやり過ぎです。

 けれど、原作では終盤まで引っ張るミステリー要素をあっさり放り出した改編は正解。この話は本質的に家族の物語であり、無駄にややこしい事をやる奇人変人に陥らせない為には登場人物の心情描写に時間を割く必要があるからです。「最強の家族」の関係を描くという点で一点の曇りもなくその絶妙な距離感に感服しました。
 キャストのハマリ具合も特筆モノで、特に加瀬亮が地味で目立たず平凡で弟に振り回されることを諦観してる兄貴を原作イメージ通りに好演。相変わらず実年齢よりかなり若い役を難なくこなしております。岡田将生はエキセントリックさが物足りないものの風変わりでクールで実はナイーブな弟を見事に演じました。小日向文世のいい父ぶりも非の打ち所なしで、凄い存在感で静かに優しさと強さを醸し出すのであります。まあ、回想・小日向には吹き出しちゃいましたが。

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加瀬亮岡田将生

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