「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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レスラー

 80年代に大活躍するも現在はバイトで食い繋ぎながらインディー団体のマットに上がる全身ボロボロ中年プロレスラーのどん詰まり人生と、長らく日本では表向き真剣勝負とされてきた業界の裏側を容赦なく見せつけるヴェネチア映画祭金獅子賞受賞作。すっかり風貌が変わり低迷を続けていた猫パンチの御仁も息を吹き返しゴールデングローブ賞をゲットしております。
 物語自体は非常にオーソドックスな落ちこぼれの悲哀物ですが、そういう風にしか生きられない愛おしい愚か者に否応なくグッと来てしまう中年男キラーな傑作です。パワーファイトとLAメタルの80年代が最高で、ハイスピード・バトル&総合格闘技とオルタナティヴ・ロックの90年代が最悪という、プロレス観・音楽観なら更に楽しめること請け合い。

 とかく転落人生を地でいくミッキー・ロークと重ね合わせて語られる本作ですが、私的にはそういう気分には一切ならず。無茶を繰り返して早逝したり再起不能になったり、あるいは奇跡的にリングに戻り再び命を削りながら闘うトップレスラーを数えたら国内だけでも両手で足りず、生き方が不器用でだらしなく借金だらけで家庭がぶっ壊れて荒んだ人生を歩むプロレスバカとなれば枚挙に暇が無いレベルで存在するわけですよ。パート毎にそいつらの姿が被ってきて涙ナミダなのであり、最後にはまるでランディ・ザ・ラムという実在のメインイベンターを追ったドキュメンタリーであるかのように彼の痛々しい人生に心を打たれ、エンドロールのブルース・スプリングスティーンの歌で完全にフォールされてしまったのです。
 さしてプロレスが好きでもなくミッキー・ロークの境遇を一切知らなくてもそれはそれで大丈夫。描かれるプロレス界の実態だけでも知らない人にはかなり興味深い内容で八百長認識を改める切っ掛けになるんじゃないかと思います。無論、笑いあり涙ありの人間ドラマとしても十分に見応えあります。

 娘にプレゼントする服を選んだり張り切ってスーパーの惣菜売り場でバイトするミッキー・ロークの姿は悲しくもユーモラスであり、ネタが被らないように試合内容を打ち合わせたり派手で痛すぎない凶器を検討したり罵倒の裏ではお互いを労りリスペクトする選手たちの姿も愛らしい。とにかく主人公含めレスラー達が悉くいい奴なんだがダメ人間というのが素敵。そもそも、治療に加え苦痛緩和や肉体改造の薬も欠かせず髪を染め日焼けサロン通いで外観を維持と、どう考えても興行のギャラではコストを賄えないわけでして、そのプロレス中毒ぶりには苦笑せざるを得ないのです。
 ストリッパー役をこなす40半ばマリサ・トメイの脱ぎっぷりも注目。盛りを過ぎた設定のわりに若々しく色っぽい姿態が嬉しいし、自立した女の強さと溢れる母性が破滅の物語に温もりを与えてくれるのです。あんなポールダンスやラップダンスが拝めて人生相談までのってくれるならストリップクラブ通いも悪くはないですな。

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(2010/01/15)
ミッキー・ロークマリサ・トメイ

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