「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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HINOKIO

 子供向けなのに「スター・ウォーズ」「宇宙戦争」が公開されてる真っ只中に投入し果敢に玉砕。小6の役に16歳の堀北真希を抜擢し体操服着せるマニアックな趣向(しかも堀北は端役)。配給側も製作側もオツムのネジが心配になりますが、実は地味に真面目で切なく爽やかな友情モノの秀作です。事情で学校に通えない生徒の為に遠隔操作のロボットが一般化してるという設定で、ロボと少年少女の交流と操縦者の引きこもり少年と父親のふれあいが物語の肝。

 これは非常に評価に苦しむ作品です。将来的に有り得る興味深いモチーフなのに他のメッセージを詰め込みすぎて広げた風呂敷を畳めなかった印象のシナリオ。子供だまし過ぎてターゲット層の就学児童が馬鹿にしちゃいそうな表現が目に付く一方で子供達の描写は旨くって「少年ドラマシリーズ」のテイストを想い起こさせる演出。喩えれば「刺身で食べれる新鮮な蟹が手に入ったんでじっくり煮込んでカレーにしてみました。」みたいな作品。興業的失敗も含め実に惜しいです。

 先ず、ダメダメなところ。ゲームと現実がリンクしていくという要素は無理矢理感が強く率直に言って不要だったと思います。それに眼鏡っ娘の暗躍とかゲーム中毒の馬鹿ガキとかも中途半端でした。なにより終盤の処理が雑で奇跡のオンパレードな上に子供達のパートと親子のパートとが旨く連動しないのが痛いです。ロボとかどーでもいい話になるし。

 しかし、それらの欠点を補って余りあるのが見事なVFXとファンタジー・ラブストーリーとしての面白さです。 背景・人物に溶け込んだロボット・ヒノキオのCGは尋常なレベルではなく、ハリウッド映画にもヒケを取らない出来映えです。ドラム演奏から格闘まで器用にこなすテクニシャンのヒノキオ。デートで溶けていくソフトクリームを見守るしかないとってもラブリーなヒノキオ。ヒノキオは軽量化の為に一部に檜が使われているんですよ。檜より軽くて丈夫な材料なんていくらでもあるとか考えがよぎりますが、木目調の高級感あるデザインが大事なんですよ、きっと。なんたって電気駆動なのに防水加工より感覚フィードバック機能の開発を優先する博士ですから。

 ヒノキオのリアリティを支える子役達の存在感も素晴らしいです。特に多部未華子が奇跡的な嵌り役で、少年時代の友情と恋愛感情の狭間の微妙な関係を見事に演じてます。しかも、おこちゃまには分り難い形で仄めかされる性的虐待というダークな過去。物語の根底に流れるテーマは重く、脆弱な心の現代っ子達に現実世界に留まる意味を伝えようという監督の意欲が伝わってきます。ただ、今回は監督の空回りも多すぎました。次回作に期待です。

ヒノキオ ヒノキオ
中村雅俊 (2005/11/26)
松竹

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