「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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インビクタス/負けざる者たち

 描かれるのは、国家反逆罪で27年間投獄され釈放後に南ア初の黒人大統領になったネルソン・マンデラと、直後に自国開催されたラグビーW杯で快進撃するナショナルチーム「スプリングボクス」の逸話。手堅く真っ当で感動的な秀作なのですが、クリント・イーストウッド監督作品に付きものの強烈なインパクトが無いので地味に感じました。不遇の半生を送り苦難の国家再建に挑む大統領とアパルトヘイトに対する制裁の影響で低迷するチームを纏め上げるキャプテンとを重ねた構成は巧いし、自ら映画化権を買い取り主演したモーガン・フリーマンの演技は迫真でマット・デイモンも当たり役「ジェイソン・ボーン」とは全く異なるラガーマン的肉体に改造して取り組んでるけど、うーん。

 イーストウッド監督という事で上がり過ぎたハードル以外には、弱小チームが這い上がって勝ち抜いていったかのように語られる違和感というのも評価を下げる原因。日本では145失点の悪夢で記憶されるあの大会は、NZオールブラックスと豪ワラビーズが2強を形成し、スプリングボクスは国際舞台からは遠ざかってはいるもののイングランドや仏と同等かそれ以上、つまり決勝進出も不思議じゃないレベルだった筈なんですよね。チームが強くなっていく過程が映画であまり描かれてないのは、劇的なエピソードがたいして存在せず技術向上や作戦による勝利だったからなのでは。
 なんせラグビーのルールなんて全く知らないであろう米国人向けなので、試合の駆け引きはおろかトライとドロップゴールの得点の違いすら殆ど触れてません。怪物ウィングのジョナ・ロムー対策が気合いと根性で済まされるのには失笑しました。一目でロムーとわかるキャスティングは素晴らしいのですが。

 そんなわけでラグビーチーム、特に多大な貢献をしたと推測される監督・コーチ陣には残念なのですが、この映画の面白いところはラグビー・エリートではなく、脇役の大統領SP陣・キャプテン宅の人々・教会でシャツ受け取らなかった少年など市井の人々で示される新しい南アの白人と黒人の共生なんですよね。
 そして、受刑時代のマンデラを敢えて深く語らないのが良いです。タイトルのインビクタスは不撓不屈という意味だそうで、それならば回想で獄中の受難とかに触れるのが常套なのですが、収容所を訪れたキャプテンが垣間見た幻影と一篇の詩だけでそこを表現してしまうのが凄い。劇伴の使い方も絶妙です。
 ところで最後のホルストの「木星」に歌詞が付いた曲「World In Union 95」。あれは毎回歌われてるラグビーワールドカップ公式テーマ曲に過ぎないのですが、この映画向けに作られたかのような詞で驚きました。あれで終わるのは卑怯だよなぁ。

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モーガン・フリーマン、マット・デイモン 他

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