「Wring that Neck」

DVDで観た映画の感想

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しあわせの隠れ場所

 体格と運動能力には恵まれながら知能は低く生活環境はホームレス同然の普通なら大学進学など夢物語の黒人少年が奇特なセレブ白人家族に引き取られ、その温かい支えと本人の努力でアメフトのオフェンスタックルとして頭角を現しNCAA1部校に進学、後にNFLドラフト1巡目で指名される迄になるという本当にあった話の映画化。ただし、主役はサンドラ・ブロックが演じる白人の養母の方です。必要以上に美化されたお涙頂戴の偽善的な話なのかと思いきや、意外に淡々とドラマが進行し身分差や人種を越えた家族の絆の深さを映し出した「ちょっといい話」となっておりました。
 驚いたのはモデルとなった選手がボルティモア・レイヴンズに入団したのが2009年でありプロとしては未だルーキーってこと。半生を語るには早過ぎる気がします。また、映画化されるぐらいだからスーパースターなのかと思いきや、スーパーボウルやローズボウルには無縁のようだし伝説的なプレーとかも特に無いんですよね。映画冒頭の偉業は彼ではなく80年代に活躍した名選手のものだし。

 慈悲深く勝ち気でエネルギッシュな母親が不遇な少年に手を差し伸べその殻を強引に割っていくというド定番のアメリカ的美談が形成されてるわけですが、所謂不良少年の更生ドラマとはならない辺りが実話ならではの面白い所です。アメリカン・ドリームを実現したマイケル・オアー選手はその生い立ちを考えれば奇跡的といえるほどに品行方正で、実の親やスラムの仲間が彼のサクセスに立ちふさがることもなく、基礎学力不足だったりアメフトのルールやテクニックが旨く理解出来なかったり主に障害となるのはおつむの問題だったりでスポ根ドラマとしては脚本家泣かせです。無口ってのも困る設定の筈。クイントン・アーロンは困り顔でかなり印象深く演じていたけど地味なもんは地味ですから。
 そんなわけで養母の方にウェイトを置くのは必然で、美化や誇張はあるにしても気高く優しく美しくて懐が深い理想的アメリカの母にサンドラ・ブロックというのは見事に嵌ったと思います。脇役の補強も万全で特に小生意気な義弟の坊主が頑張ってくれてます。弟くん程儲け役じゃないけど整った顔立ちが印象的だった義妹に扮したのがフィル・コリンズの愛娘ってのもサプライズでした。エンドロールに出てくる実際の義妹もミス・キャンパス級の美女ですが。

 さて、このドラマ。アメフトの知識は全く無くても問題なしですが、アメリカの地域性や進学事情は知っておいた方が理解しやすいです。
 先ず、舞台となるメンフィスですがテネシー州最大の都市で、南北戦争前は奴隷市として栄えキング牧師が暗殺された地としても有名です。つまり人口の半数以上を占めるアフリカ系の多くは貧しく白人の殆どは共和党支持者でキリスト教原理主義で因習も残る典型的南部の土地といえます。そしてノックスビルにあるテネシー大より隣州だけど近所にあるミシシッピ大を贔屓にしてる模様です。
 んで、アメフトのエリートコースはプロ予備軍であるNCAAカレッジに認められスポーツ奨学生になることで、これは競技での実力のみならず通常の大学入学基準の学力も要求されます。まあ、脳みそ筋肉でもプロへの道は閉ざされないんですが、我が国の箱根駅伝みたいな特別なステイタスが其処にあるってことでしょうね。

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